モルトマン生誕100周年 独で記念シンポジウム開催 2026年4月10日

ドイツの神学者ユルゲン・モルトマンの生誕100周年を記念する国際シンポジウムが4月10日から12日まで、ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州の福音主義アカデミー・バート・ボルで開催される。世界教会協議会(WCC)が4月9日、公式サイトで伝えた。
「神への希望―世界の未来」をテーマとする同シンポジウムは、戦争や社会的分断、民主主義の危機といった現代的課題の中で、人間がいかに希望と確信を見いだし得るのかを問い直すもの。モルトマンの神学的遺産を検証するとともに、その現代的意義を再評価する機会となる。
モルトマンは1964年の主著『希望の神学』によって国際的評価を確立し、キリスト教の希望を「死後の慰め」や抽象的理念ではなく、現実を変革する力として提示した神学者として知られる。その思想は政治神学や創造論、平和倫理など多方面に影響を与え、世代や地域を超えて広く受容されてきた。
今回のシンポジウムでも、この「希望」が単なるユートピア的展望ではなく、現在を形づくる具体的な力であることが強調される。すなわち、不正義に立ち向かう決意や、神の未来と愛に即した生き方への志向としての希望である。
プログラムでは、モルトマンの未公刊資料の紹介や、その神学的影響の再検討が行われるほか、エキュメニズムへの貢献にも焦点が当てられる。WCC中央委員会議長のハインリッヒ・ベドフォルト・シュトローム氏が「世界的エキュメニズムへの影響」をテーマに講演するほか、ザンビアの文脈からモルトマン神学を読み直す報告など、グローバルな視点からの応答も予定されている。
主催者によれば、同シンポジウムは教会関係者や研究者に限らず、市民社会に広く開かれた場として構想されており、モルトマンの思想が今日の危機的状況にいかなる示唆を与え得るのかを共同で探求することを目的としている。
20世紀を代表する神学者の一人とされるモルトマンの思想は、なおも「希望」をめぐる問いを通して、現代世界におけるキリスト教の公共的役割を問い続けている。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)
写真=Peter Kenny/WCC, 2019














