【「親なきあと」をともに生きる~お寺と教会の〈語らい〉から始まる支援】 お寺という優しい空間で家族の未来に伴走しはじめる 米倉久詠 2026年5月21日

広島県三次市にある浄土真宗本願寺派源光寺は、広島県内で初めて一般財団法人「お寺と教会の親なきあと相談室」の支部を開設した寺院です。開設以前から、地域に根差した活動を積極的に行ってこられた福間玄猷住職は、「絵本のお坊さん」としても広く知られています。
ひきこもり状態や障がいのあるお子さんを持つ親御さんにとって、自分たちがこの世を去った後、わが子の生活を誰が支えてくれるのかという不安はとても大きなものです。福間住職は「福祉仏教」の観点から、いち早く地域に向けてその扉を大きく開かれました。
2023年4月15日の「支部開設記念講演会」に聴講者として参加した際、福間住職の想いに深く共鳴した私は、源光寺支部のアドバイザーの一人としてお手伝いをさせていただくようになりました。福間住職が目指しておられるのは、門徒さんはもちろん、地域の方々が困った時に真っ先に思い浮かべてくれる場所、「ファースト・コール・テンプル(First Call Temple)」です。
その志に魅せられ、司法書士や行政書士、ファイナンシャルプランナー(FP)、終活カウンセラーといった専門家が、地元三次市のみならず、福山市や広島市からも源光寺支部のアドバイザーとして集まっています。
年3、4回開催される講演会は、合掌礼拝に始まり、福間住職による絵本の読み聞かせ、専門家による講演、質問タイム、個別相談という流れで進みます。個別相談件数は、まだそんなに多くはありませんが、ご相談者の皆さまが共通して、「これからどうしたら良いのか」という簡単に解決できない悩みを抱えておられます。

参加者同士の語り合いが行われることも(2024年8月17日、広島県三次市の源光寺)
そうした方々にとって、この活動がいかに有意義なものであるかを日々実感します。源光寺の本堂という場所で、福間住職がつくってくださる穏やかな空間に包まれながらお話をうかがっていると、どんなご相談にも共通する「家族への想い」に気づかされます。
行政の窓口などでは、どうしても事務的な手続きが主となってきますが、お寺という場所だからこそ、素直に心の奥底にある不安を口にできる「優しい空間」が生まれるのだと思います。
講演を聞くことを目的に来てくださった方たちからも、「こんな大切なことが学べるのだから、もっとたくさんの人が参加したら良いのに」という心強いお声もいただきました。
「お寺と教会の親なきあと相談室」には、仏教もキリスト教も、教派の垣根を越えて手を取り合い、地域の人々に寄り添おうという強い願いが込められています。この取り組みがどんどん広がり、いずれ誰もが「親なきあと」や「自らの終わり」を不安に思わなくても良い社会になるよう、共に築いていけることを願ってやみません。
これからも福間住職と共に、悩みを持つご家族に伴走していきたいと思っています。
よねくら・ひさえ 広島市在住。終活カウンセラー協会 認定終活講師。相続診断士。己書あさひ道場代表師範。お寺と教会の親なきあと相談室源光寺支部のアドバイザーも務めている。
*問い合わせは同相談室(https://otera-oyanaki.com/)まで。
【「親なきあと」をともに生きる~お寺と教会の〈語らい〉から始まる支援】 お寺やお坊さんのできること 遠山玄秀 2026年5月11日













