【この世界の片隅から】 日本ホーリネス教会の台湾への影響 鄭 睦群 2026年7月11日

 「特別集会」(Special Conference/Meeting)には厳密な定義があるわけではない。しかし一般に、定例ではないこと、明確な主題を掲げること、講師や奉仕チームに焦点が置かれること、そして多くの群衆が参加することなどを特徴としている。固定された日曜礼拝と比べると、特別集会はより強い動員力と感情的な緊張感をもち、集中的な集会、説教、そして集団的な宗教経験を通して、信徒の信仰的熱情を呼び起こす。また開催場所もきわめて機動的であり、しばしば屋外・天幕・学校の運動場・広場などが用いられた。教会堂という空間の制約を超え、広く社会の人々のもとへと入っていったのである。

 近代的な特別集会の形式は、18世紀北米の「大覚醒運動」と、英国メソジスト派のリバイバルにまでさかのぼることができる。ジョージ・ホワイトフィールドとジョン・ウェスレーは、敬虔主義およびモラヴィア兄弟団の影響を受け、教会の硬直化と信仰の冷淡化に直面する中で、英国と北米を積極的に巡回し、公開伝道を行った。そこでは、しばしば数千人規模の屋外集会が開かれた。こうした集会では、涙や叫びといった強い感情表現が伴うことも多く、その評価は一様ではなかった。それでも、それは次第に近代キリスト教のリバイバル運動における重要な伝統となっていったのである。

 ただし、台湾キリスト教史における最初の特別集会の体験は、「内地」日本からの刺激によってもたらされたものであった。

 台湾では、清朝統治末期の1860年に開港して以降、英国とカナダの長老教会がそれぞれ1865年と1872年に台湾に根を下ろし、南北長老教会の宣教の歩みを開いた。しかし、台湾において特別集会の形式により近い歴史をたどろうとするなら、日本から来たホーリネス教会について語らなければならない。

 日本ホーリネス教会は1917年、東京で正式に設立された。しかし、その基礎はそれ以前から、米国メソジスト派牧師チャールズ・カウマン(1868~1924年)と中田重治(1870~1939年)によって、少しずつ築かれていた。1901年、彼らは東京に「中央福音伝道館」を設立し、新生・聖化・神癒・再臨からなる「四重の福音」に焦点を当て、信徒にいっそう熱い霊的生活を追い求めるよう促した。

 当時の比較的伝統的な主流教会に比べ、ホーリネス教会は集会において楽器を多用し、賛美歌もリバイバルや救いを主題とするものが多かった。そのため、集会の雰囲気はより熱気を帯びたものとなった。労働者、監獄の受刑者、ハンセン病患者への伝道に加え、ホーリネス教会は海外植民地への宣教にも積極的に取り組んだ。台湾もその一つであった。

中田重治の台湾伝道に協力した陳溪圳(右)と妻・蕭美珠

 1921年1月8日、ホーリネス教会の「天幕伝道隊」は、多辻春吉(1876~1945年)、拓殖不知人(1873~1927年)ら4人の宣教師によって、神戸から「信濃丸」に乗船し台湾へ向かった。こうして3カ月にわたる伝道が始まった。その期間、彼らは台南・高雄・屏東・嘉義・台中・新竹・台北などを訪れた。

 1923年1月26日、多辻は再び一団を率いて台湾を訪れ、旗山・鳳山・虎尾・関仔嶺・員林・水上・大甲・清水などの地を開拓した。

 1926年1月18日、日本ホーリネス教会の監督であった中田重治が台湾を訪問した際には、後に長老教会の有力な牧師として知られるようになる陳溪圳(1895~1990年)、また原住民伝道で知られる日本人宣教師・井上伊之助(1882~1966年)が出迎えた。中田はこの旅で、屏東・高雄・台南・彰化・台中・新竹・淡水を訪れ、その反響は非常に熱烈であった。

 彼は説教の中で、こう強調した。「熱心な教会は三つのことを重んじなければならない。絶えざる祈り、聖潔を守ること、そして主の再臨である」。また、自らの教会は完全ではないが、「熱心と聖潔を絶対に第一に置く」と語った。

 1926年2月1日、中田重治は基隆から「蓬莱丸」に乗船して日本へ帰国した。そして同年、台湾聖潔教会も正式に設立されたのである。

 日本ホーリネス教会は、わずか5年の間に3度、台湾全土を巡回して伝道を行った。それは長老教会にも大きな反響を引き起こし、同教派にとって初めての、また得がたい特別集会の体験となった。そして多くの信徒を導き、熱い心をもって主に仕え続けるよう促したのである。

 1945年8月、戦争が終結すると、台湾聖潔教会は次第に日本ホーリネス教会から独立していった。そしてこの台湾教会における「特別集会」の初体験もまた、多くの人々から忘れ去られた歴史の一コマとなった。

(原文:中国語、翻訳=松谷曄介)

 てい・ぼくぐん 1981年台湾台北市生まれ。台湾中国文化大学史学研究所で博士号取得。専門分野は、台湾史、台湾キリスト教史。現在、八角塔男声合唱団責任者、淡江大学歴史学部助教、輔仁大学歴史学部助教、台湾基督長老教会・聖望教会長老、台湾教授協会秘書長。

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