中国 教皇と政府双方の承認受けて新司教 2011年4月16日
中国天主教(カトリック)広東省江門(ジャンメン)司教にポール・リャン・ジャンセン神父(46)が叙階された。中国では今年初めての司教誕生。
昨年後半に北京政府がバチカン(ローマ教皇庁)の意向に反して独自に司教を任命、両者間の緊張が高まっていたが、ジャンセン神父の司教選任は双方の承認を得てのもの。
叙階式は江門の聖心のマリア大聖堂で行われた。新司教は神学校の同級生を式に招待、さらに南昌のジョン・バプテスト・リ・スグアン司教始め司教・司祭40人がミサを共同司式した。
香港やマカオからも信徒が参集、大聖堂には400人しか入れないところから、約1千人が中庭に導かれた。入場券を持たない人は敷地外側に設けられたテレビで中継を見守った。
中国教会観測筋は、双方の承認による今回の叙階を前向きのメッセージだとしながらも、最近の流れから、緊張緩和の徴と見ることには懐疑的だ。
江門教区は、中国のカトリック教会史上、独自の地位を占めている。1552年に中国に来たフランシスコ・ザビエルの墓も市内にあり、マテオ・リッチも1583年から89年まで教区内で活動、教会も建設した。(CJC)