「国際カリタス」が声明 北朝鮮援助は無条件で 2011年12月25日
【CJC=東京】カトリック救援団体「国際カリタス」の関係団体、ドイツ、日本、米国、韓国の各カリタス代表がソウルの韓国司教協議会で12月5日、今後の計画について協議した。「国際カリタス」は協議の後、北朝鮮人道援助を無条件で継続すべきだ、と声明で訴えた。声明は、「カリタス」が朝鮮半島の平和を推進し、北朝鮮への人道援助を「無条件で」継続する、と述べている。
韓国司教団の最初の公式外国援助団体「韓国・国際カリタス」北朝鮮部門の責任者ジェラルド・ハモンド神父(メリノール宣教会)は、北側との接触を継続する必要を強調した。「もしも韓国が、食糧割り当てを監視するなど配布システムの透明性を要求する立場を維持し続けるなら、無条件援助計画に否定的な影響を与える。わたしたちは北朝鮮を理解する必要があり、忍耐強く待たなければならない」と言う。
韓国は、2010年5月に北朝鮮が韓国の哨戒艦「天安」を攻撃、沈没させたとして、人道的なもの以外はすべての接触を禁止した。また援助に関しては厳格な監視が必要だとしている。軍支援に転用されることを懸念してのもの。
「韓国・国際カリタス」代表のシメオン・リー・ジョンケオン神父は「わたしたちは小麦粉400㌧と1億3千万ウォン(約880万円)相当の医薬品を今年北朝鮮に送った」と言う。リー神父は、他のカリタス組織の援助と共に「カリタス韓国」は、政府の禁止にもかかわらず、外国を通じて間接的に北朝鮮に援助物資を送ることもできる、と強調した。
イルミネーション 「心理戦」と北反発
北朝鮮は12月11日、韓国による南北軍事境界線付近の鉄塔にクリスマスのイルミネーション点灯計画は、北朝鮮に対する「卑劣な心理戦」だと非難した。点灯された場合には「敵の好戦者たちは、自ら招いた予期せぬ事態への全責任を負うことになる」「これは、見過ごすことのできない問題だ」と警告し、報復を言明している。AFP通信が報じた。
韓国国防部は、ソウルのキリスト教団体の要請で、非武装地帯の愛妓峰に立つ鉄塔をクリスマスツリーに見立ててイルミネーションを点灯する計画を発表している。韓国メディアによると、鉄塔に取り付けられた数千個の電飾が点灯すれば北朝鮮の開城からも見えるという。