ロシアのキリル総主教が訪中 正教会「公認」狙う? 2013年6月8日
ロシア正教会の最高指導者モスクワと全ロシアのキリル総主教が5月10日、初めて中国を訪問、北京の人民大会堂で習近平国家主席と会見した。
ロシアのRIAノボスチ通信は、習主席がキリル正主教を「中国を初めて訪問したロシア最高の宗教指導者」とし、訪中をハイレベルで質的にも最高な中ソ関係を明確に示すものと語った、と報じている。総主教は、「近年に出現したロシアと中国の特別な関係の徴」と応じた。
ロシアのインタファクス通信によると、総主教は訪問最終日の5月16日、上海で、正教会の地位が強化されることになろう、と記者団に語った。
総主教は、「中国正教会を強化する計画」のあることを明らかにした。特に、計画と関連して、中国人学生2人が、サンクトペテルブルグとセルゲイエフ・ポサドにある正教会神学校で学んでいる、と指摘した。
「300年にわたって中国に存在し、20世紀には中国の人々全てと苦難を共にしてきた正教会という『真の教会』のリバイバルに立ち会っている」、と総主教は語った。
中国政府は、国務院宗教局が宗教を管理しているが、宗教活動を認めているのは、カトリック、プロテスタント、イスラム教、仏教、道教だけで、宗教団体は登録認可が必要。
カトリック、プロテスタントとも、政府の規制を嫌って非登録のまま「地下活動」を行い、取り締まられる事態もこれまで続発している。
「正教会の地位強化」をロシア正教会の最高指導者が要請したことは、中国の宗教政策の変更を迫ったものと見られ、中国側の対応が注目される。(CJC)