WCC創立70周年のエキュメニカル祈祷礼拝で教皇が説教 2018年6月22日

 ローマ教皇フランシスコは6月21日、ジュネーブ時間の午前11時15分(日本時間の午後6時15分ごろ)からジュネーブにあるエキュメニカル・センターの礼拝室で行われた、世界教会協議会(WCC)とローマ・カトリック教会の代表者らによるエキュメニカル祈祷礼拝で、イタリア語による説教を行い、エキュメニカルな旅へのカトリック教会の責務を確認した。

 「共に歩み、祈り、働く – ジュネーブのエキュメニカルセンター礼拝室におけるエキュメニカル祈祷礼拝」と題するこの礼拝を含む教皇のWCCへの訪問は、WCCが今年創立70周年を迎えたのを記念して、5年前からWCCがバチカンに依頼して準備し、共同で実現したもの。「6月21日の教皇フランシスコによる世界教会協議会へのこの画期的な訪問は、WCCの70周年のエキュメニカルな記念の礎石となるものである」と、WCCは説明している。

 賛美歌・聖歌「いとも尊き」(The Church’s One Foundation)の合唱の後、教皇は「主があなた方と共にあるように」とこの礼拝の出席者に英語で語りかけ、「あなたともともにあるように」と会衆が答えた。

 同時通訳を通じたこの説教の中で、教皇フランシスコは、たとえエキュメニズムがこの世の目には「途方に暮れて活動している大きな企て」と見られることが多くても、聖霊のうちにともに歩むようキリスト教徒に強く訴えた。バチカン放送局英語版が21日に報じた。

 教皇フランシスコはこの説教で、物質的なものへの渇きによって人間は自らの同伴者たちが見えなくなり、その無関心が世界の街の通りにたくさんあると述べた。

 教皇フランシスコは、新約聖書ガラテヤの信徒への手紙5章16節「わたしが言いたいのは、こういうことです。霊の導きに従って歩みなさい。そうすれば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません」と25節「わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従ってまた前進しましょう」から引用し、使徒パウロが霊の導きに従って歩むよう招いていると述べた。

 「わたしたちキリスト教徒にとって、共に歩むことはわたしたち自身の立場を強めるための策略ではなく、主への服従の行為とわたしたちの世界への愛なのです。聖霊の道に従って、かえって毅然として、わたしたちが共に歩むのを助けてくださるよう、父に求めましょう」と、教皇フランシスコは呼びかけた。

 「十字架がわたしたちの歩みを導いてくださいますように」と教皇フランシスコは語り、「なぜならそこでイエスにおいて、隔ての壁はすでに取り壊され、そして全ての敵意が克服されたからです」と付け加えた。

 その上で教皇は、「イエスにおいて、わたしたちは、自らのあらゆる失敗のために何もわたしたちをイエスの愛から引き離すものなど決してないということが、わかるようになるでしょう」と説教を結んだ。

 多言語による主の祈りを会衆がそれぞれ唱えた後、教皇フランシスコは、「父と子と聖霊である全能の神の祝福が、あなた方が共に行く道に、今もそしてとこしえに共にいてくださるように」などと、十字を切りながら祈った。

 ロシア正教会の聖歌やゴスペルなどの合唱を含むこの礼拝が約50分にわたって行われた後、教皇フランシスコは、WCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事やアグネス・アブオム中央委員会議長、ローマ・カトリック教会の高位聖職者らと共に、厳しい警護体制の中、教皇は礼拝室を後に専用車でエキュメニカルセンターを離れた。

 その後、教皇はWCCの指導者層とボセイ・エキュメニカル研究所で昼食をとった後、ジュネーブ時間の午後3時45分(日本時間の午後10時45分)から再びWCCのエキュメニカルセンターで行われるエキュメニカル会議で演説をする予定。

©Mgnus Aronson/WCC

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