抱樸が社会福祉法人設立 「希望のまち」本格始動へ 2023年10月1日

 NPO法人抱樸(奥田知志理事長)は9月6日、「社会福祉法人抱樸」(森松長生理事長)を設立したことを発表した。社会福祉法人設立により救護施設「抱樸館」が具体化され、「希望のまちプロジェクト」が開始されることになる。「希望のまち」まちびらきは2025年4月を予定。

 隙間のない支援のためNPO法人抱樸では、2018年より社会福祉法人の設立を目指して計画を進めてきた。20年4月には、北九州市小倉北区の特定危険指定暴力団「工藤会」の本部事務所の跡地を社会福祉法人の基本財産とするため購入。コロナ禍の困難な状況の中、社会福祉法人設立準備会の発足、希望のまち推進協議会の発足などにより「希望のまちプロジェクト」の検討・推進が進められてきた。そして今回、認可申請等の手続きが終了し、社会福祉法人設立に至った。

 NPO法人抱樸理事長の奥田氏は、社会福祉法人の設立について「社会福祉法人は制度を基盤とするために対象者が限定されるが、『広く、自由』なNPO抱樸との連携により『断らない』という在り方を一緒に実現する」と語る。

 「希望のまちプロジェクト」は、特定危険指定暴力団工藤会の本部跡地を活用して「希望のまち」の拠点をつくり、「誰もひとりにしないまち」を実現するプロジェクト。「子どもの居場所と家族支援」「地域生活サポートセンター」「救護施設」「障害のある方の居場所」「避難所・防災機能」などの機能を備えた複合型社会福祉施設を建設し、すべての人にとっての「居場所(ホーム)」として拠点に据え、新たな「まち」を広げていくことを目指している。2022年4月に寄付キャンペーンをキックオフし、23年9月15日時点で約2億2700万円の寄付が集まっている。

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