WCC ウクライナにある教会の牧師が省察で問いかけ「約束された神の国はまだ来ていないのか?」  2024年4月22日

 ベラルーシ、モルドバ、ロシア、そしてウクライナの教会と人々に焦点を当てた、世界教会協議会(WCC)の朝の祈りの間に、ドミトロ・ツウォリン教授・博士は、ウクライナにおける戦争の痛みとともに、私たちがどうやって希望にしがみつくのかについて、焦点を当てた。WCCが4月15日に公式サイトで伝えた。

 ウクライナにあるドイツ福音ルーテル教会の牧師で、リビウにあるウクライナ・カトリック大学の聖書学部教授であるツウォリン氏は、この問いを投げかけた。「約束された神の国はまだきていないのでしょうか?」

 同教授・博士は、罪の律法にいまだに従っている世界に私たちは住んでいると指摘した。「私たちは根本的に何も変えることが出来ないということから、私たちは、自らの気がめいるような無力感を感じることが多いのです」と同教授・博士は語った。「キリストのみ国は、信仰を通じて私たちの心の中に生きているのに、この痛みを増すだけだと。なぜなら私たちは、罪と聖なるものの対比を、他の人々よりもっと痛切に感じるから」

 同教授・博士はさらに、私たちは、ウクライナにおける戦争の間、この痛みをいま痛切に感じていると説明。「私たちは自らの同志たちが日々死んでいくことや、私たちの町や村に対するロシア軍の止めどない砲撃やロケット砲撃に痛みを感じています」と同教授・博士は言った。「私たちはそれを止められないのです」

 同教授・博士はこう付け加えた。「私たちが痛みを感じるのは、私たちの国に対するロシアの側からの残虐で理由なき侵略のせいです。私たちはお祈りをするものの、この世界の残酷な現実を変えることが出来ないのです」

 けれども主はいま行動しておられると、ツウォリン教授・博士は言った。「主は私たちの祈りをお聞きくださり、答えてくださいます。主が黙っておられるように私たちには思えることが時にはありますが」と同教授・博士は語った。「私たちは今何をすべきなのでしょうか? 私たちは自らの暮らしの中でイエス・キリストのみ名を呼び、そしてみ国の存在をまさに今、私たちの間で、そして私たちの周りで、体験するのです」

 私たちには神が今もなお働いておられることがわかると、同教授・博士は結んだ。「神のみ名とみ力は今、私たちと共にあり、そして神の国が全ての栄光の内に明らかにされる日が来ると私たちは信じるのです」

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

写真=Ivars Kupcis/WCC

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