スーダンで司祭射殺 避難直前に教会施設も略奪 市民への暴力停止訴え 2026年7月15日

 内戦が続くスーダン中部コルドファン地方のヌバ山地で6月19日、カトリック・エルオベイド教区のユハナ・アル・アミーン神父が武装した兵士に射殺された。治安悪化を受け、避難する準備をしていた矢先だった。「カトリックジャパンニュース」が7月14日、OSVニュースの記事を伝えた。神父と共に警備員2人も銃撃され、1人が死亡、もう1人が負傷した。

 教区側の説明によると、事件前日の18日夜、地域で活動する武装勢力の兵士らがカウダの教会敷地に侵入し、医薬品保管庫を開けるよう要求した。兵士らは教会施設や人道支援団体の倉庫を破壊し、医薬品や食料を持ち去ったという。翌朝、再び敷地内に現れ、神父を自室で射殺した。教区のペトロ・スレイマン・ボリス司教代理は、神父が略奪に抵抗して鍵を渡すことを拒んだことが殺害につながったとの見方を示した。

 国際カトリック慈善団体「教会を助ける会」(ACN)は現地情報として、住民のために保管されていた医薬品の盗難を神父が届け出たことへの報復だった可能性を指摘している。アル・アミーン神父は、武装勢力間の衝突や民族的緊張が高まる中でも地域に残り、数少ない司祭の一人として司牧を続けていた。教会は礼拝や司牧だけでなく、医療や教育、困窮者支援の拠点にもなっていた。

 エルオベイド教区のユナン・トンベ・トリル・クク・アンダリ司教は声明で、神父が人々への献身的な奉仕で知られていたと悼み、教区共同体が深い悲しみに包まれていると表明した。南スーダンのエドワルド・ヒーボロ・クサラ司教も、紛争と不安定な状況の中で人々のそばに立ち続けた神父の死は、スーダンの教会全体にとって「痛ましい傷」だとして連帯を示した。

 カウダは、スーダン人民解放運動・北部派(SPLM-N)が支配するヌバ山地の主要都市。近年は地域内の武装集団や部族間の対立が激化し、略奪や誘拐、市民への攻撃が相次いでいる。アル・アミーン神父は、2025年6月に流れ弾で死亡したルカ・ジョモ神父に続き、この1年間で命を落とした同教区の司祭となった。

 一方、コルドファン地方では、国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)との戦闘も激しさを増している。国連人権高等弁務官事務所は6月18日、州都エルオベイド周辺でRSFと同盟勢力が兵力を増強し、ドローン攻撃や砲撃によって市民が犠牲になっていると警告。影響力を持つ国々に対し、暴力を止めるため直ちに行動するよう求めた。

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