戦火の俳句を祈りへ 「俳句想礼拝」で平和を黙想 2026年5月10日

 俳句を通して平和を祈る第5回「俳句想礼拝」が4月26日、聖路加国際病院(東京都中央区)トイスラーホールで行われ、約20人が参加した。戦争や分断をテーマとした俳句を礼拝の中で朗読し、祈りと黙想を深める独自の試みで、今回はガザやウクライナの惨禍を踏まえ、「平和」を主題に据えた。

 俳句想礼拝は2014年に始まり、第3回までは東京のカフェ・エクレシア(2023年閉店)が主催。昨年からは「俳句想礼拝研究・準備会」が主催している。今回は日本聖公会北海道教区の飯野正行司祭が司式し、日本聖公会司祭で聖路加国際病院チャプレンの成成鍾(ソン・ソンジョン)氏が「平和をもたらす『分裂』」と題して説教した。

 礼拝では、ウクライナの俳人ウラジスラバ・シモノバによる「握りしめるロケットの破片痛い」や、戦時下の日本を詠んだ渡辺白泉の「戦争が廊下の奥に立つてゐた」などの句を朗読。ガザ爆撃の報道写真に触発されて作られた句も紹介され、戦争の犠牲となる子どもや家族への痛みが祈りの言葉として共有された。

 成氏は、ルカによる福音書12章の「平和ではなく、むしろ分裂だ」というイエスの言葉を取り上げ、「キリストの平和は、何もしないまま自然に与えられるものではない」と指摘。腐敗した部分を取り除く外科手術になぞらえながら、「苦しみを伴う分裂や分離を通してこそ、命の回復と真の平和がもたらされる」と語った。さらに、ミケランジェロが傷だらけの大理石から天使像を彫り出した逸話を引き、「人間や社会の中にある硬直した部分を削り取り、神から与えられた本来の姿を回復することが平和への道だ」と呼びかけた。

 礼拝後には二つの講演も行われた。中西光雄氏(日本基督教団代田教会長老、古典講師)は「俳句と主の平和」と題し、戦争を詠む句について「情景を象徴的に切り取り、感情を読み手に委ねる点に俳句の本質がある」と解説。「主の平和」を詠み込んだ句についても、「自然を通して世界の真理を見ようとする俳句の姿勢は、信仰のまなざしと響き合う」と述べた。

 また、李民洙(リ・ミンス)氏は「私のキリスト教俳句作り」と題して講演し、「俳句とは、自然や自己の内に投影された神の姿を描き出し、その余韻(ひびき)を残す営み」だと説明。神は喜びだけでなく、「苦しみや悲しみのただ中にも現れる」と語った。

 式文には、聖フランシスコの「平和の祈り」や、カトリック司祭の本田哲郎氏による祈りも採用され、「人の痛みに敏感な心」「抑圧された人々のために声を上げる勇気」を求める祈願がささげられた。

 俳句想礼拝研究・準備会は、第6回俳句想礼拝を6月に計画している。問い合わせは李氏(minsrhee@yahoo.co.jp)まで。

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