「死刑執行の闇に裁判で挑む」 今西憲之氏が情報公開訴訟の背景語る 宗教者ネットがセミナー 2026年6月23日

 「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは6月23日、京都府部落解放センター(京都市北区)で第38回死刑廃止セミナーを開催した。今回は「死刑執行の現場は、なぜ市民から隠されるのか? ――ジャーナリストからの報告」と題し、死刑執行に関する文書の情報公開請求訴訟で原告を務めるジャーナリストの今西憲之氏が登壇。国家の正義の行使とされる死刑執行の現場が、いかに市民の目から遠ざけられているか、その不透明な実態をジャーナリストの視点から厳しく告発した。

 30年以上にわたり『週刊朝日』などで事件や政治、社会問題を最前線で取材してきた今西氏は、日本における死刑執行の公表が「誰に執行したか」というごく一部の記号的な事実にとどまり、その手続きや現場の具体的な状況が徹底して秘匿されている現状を問題視。「国家が人の命を奪うという重大な行為でありながら、その実態は完全に闇の中にある。主権者である市民がその是非を判断するための情報すら開示されないのは健全な民主主義とは言えない」と指摘した。

 この闇を解明すべく、今西氏は行政機関に対して死刑執行にまつわる各種公文書の情報公開請求を行い、不開示処分を不服として裁判に踏み切った。公判や取材を通じて見えてきた国の姿勢について今西氏は、「国側は『現場の秩序維持』や『関係者のプライバシー』を盾に徹底して隠蔽を続けているが、これは検証を拒むための自己保身に過ぎないのではないか」と批判。「ジャーナリストとして、一市民として、司法や行政がブラックボックス化していくのを黙って見過ごすわけにはいかない。現場で何が起きているのかを明らかにすることは、この制度の根幹を問うために不可欠な一歩だ」と、裁判に挑む強い覚悟を語った。

 主催した「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、諸宗教の枠を超えて死刑執行停止や死刑廃止を訴える活動を続けている。セミナーの模様はYouTubeでもライブ配信され、会場の参加者とともに、画面を通じても多くの市民が死刑制度の不透明性と情報公開の重要性について熱心に耳を傾けた。

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