東山荘プロセス40年を検証 朝鮮半島の平和と統一めぐり学習会 2026年7月12日

日本キリスト教協議会(NCCJ)と在日大韓基督教会(KCCJ)は7月11日、公開学習会「朝鮮半島の平和と統一――日本教会と在日教会の歩みから考える」の第1回を、日本キリスト教会館(東京都新宿区)とオンラインの併用で開いた。昨年の「日韓条約60年」連続学習会を引き継ぐ企画で、元NCC総幹事の山本俊正氏が「東山荘プロセス」を軸に、日本の教会が朝鮮半島の平和と統一にどう関わってきたかを振り返った。
山本氏は、1875年の江華島事件から1910年の韓国併合、45年の解放と分断に至る歴史をたどり、植民地支配の清算は今なお終わっていないと指摘した。その上で「責任」を、被害を受けた人々の訴えに応答する力として捉え、「東山荘プロセスは、朝鮮半島の人々の呼びかけに対する教会の応答責任として受け止める必要がある」と語った。
東山荘会議は84年10月、静岡県御殿場市のYMCA東山荘において世界教会協議会(WCC)が主催、アジアキリスト教協議会(CCA)、韓国教会協議会(NCCK)の協力により開かれた。20カ国から65人の教会指導者が参加し、分断された朝鮮半島を東北アジアの緊張の中心と位置付け、南北の教会間交流、離散家族問題、人権、非核化などを協議した。以後、WCCや各国教会による一連の取り組みが「東山荘プロセス」と呼ばれるようになった。
その後、86年にスイスで開かれたグリオン会議では、南北のキリスト者が初めて出会い、聖餐を共にした。95年には京都で会議が開かれ、南北共同礼拝、国家安全法の廃止、南北合意文書の実行、非核化、人道支援など五つの共同行動で合意した。

同年、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)で大規模な洪水が発生すると、東山荘プロセスは人道支援へと重心を移した。世界の教会が食糧や医薬品を送り、NCCJも募金や訪問団派遣を実施。97年にはトウモロコシ10トンを送り、教会やNGO、仏教団体を含む幅広い支援ネットワークが形成された。山本氏は、人道支援そのものが日本の植民地支配に対する謝罪の表れでもあったと説明した。
一方、2002年の日朝平壌宣言後に拉致問題が表面化し、国交正常化への機運が後退したことにも言及。拉致問題も国交回復と交流の進展の中でこそ解決への道が開かれるはずだが、現状は手詰まりに陥っているとの見方を示した。
現在、南北教会による共同祈祷は2019年以降途絶え、朝鮮半島の「統一」そのものが語られにくい状況にある。それでも山本氏は、各個教会やYMCA、市民団体による交流に触れ、キリスト教団体だけでなくNGOや市民運動と連携する「広汎なエキュメニカル運動」として歩みを継続する必要を訴えた。
第2回は7月25日、金柄鎬(キム・ビョンホ)氏が在日教会の視点から、KCCJと朝鮮基督教連盟(KCF)の交流と今後の課題を語る予定。詳しくはNCC公式サイトを参照。















