賀川豊彦の「友愛」精神で生活と平和守る 対イラン外交求め鳩山元首相ら署名呼びかけ 2026年7月15日

 米国とイランの戦闘再燃やホルムズ海峡の通航危機を受け、日本政府にイランとの直接的で友好的な外交を求めるオンライン署名をめぐり、「エネルギー危機解決と『友愛の政治経済』への連携に向けて」と題する懇談会が7月15日、賀川豊彦記念松沢資料館(東京都世田谷区)で開かれた。署名の呼びかけ人に名を連ねた政治家から、鳩山友紀夫元首相、平岡秀夫元法相、近藤昭一元環境副大臣、前衆議院議員の阿部知子、市來伴子、川内博史の各氏が出席。賀川豊彦関係団体・協同組合連絡協議会の関係者らを交え、署名の拡大や政府への要請、今後の連携について意見を交わした。

 署名の名称は「生活と平和を守るために――イランとの友好的外交による船舶通過の実現を求めます」。5月3日に発表された緊急声明(https://www.lifepeace2026.net/)では、ホルムズ海峡の通航停滞が原油やナフサの供給、物流、医療、建設などに影響し、物価上昇や企業、家計の困窮を招くとして、日本政府にイランとの個別交渉による日本関係船舶の安全な通過と、資金繰り支援などの経済対策を求めている。同声明に賛同を求める署名(https://bit.ly/4piRNqU)は7月15日までに4万7千筆を超えた。

 日本は原油の9割以上を中東に依存しており、資源エネルギー庁によると2026年3月以降、中東からの原油輸入は大幅に減少。日本政府が国家備蓄原油の放出を進める中、米国とイランは6月に攻撃停止と交渉再開で合意したものの、7月中旬には攻撃の応酬が再び激化し、合意の行方は不透明になっている。

 呼びかけ人らは5月と6月の2度にわたり駐日イラン大使館を訪問。友好的な外交と事前調整があれば、日本関係船舶の通航が可能になり得るとの認識を大使側と確認したとしている。6月8日には衆議院第一議員会館で会見を開き、日本とイランの歴史的関係を生かした「民間外交」の必要性を訴えた。7月後半には、署名を携えて外務省など政府機関への要請を行うことを検討している。

 懇談会を提起した小林正弥氏(千葉大学大学院教授)は、鳩山氏が掲げる「友愛外交」が今回の活動の精神的な土台にあると説明。一時的な合意によって危機が去ったかのような見方が広がったが、情勢は再び緊迫しているとして、改めて署名への協力を呼びかけた。

 参加者からは、戦争とエネルギー危機が物価高や貧困を深刻化させるとの懸念に加え、再生可能エネルギーを地域で生産、利用する協同組合の取り組みや、農協、生協、労働組合、市民団体との連携を通じ、エネルギーと食料を支え合う仕組みを広げる必要性も指摘された。

 賀川は1926年、新渡戸稲造らと日本友和会を結成し、キリスト教信仰に基づく非戦と国際協調を訴えると同時に、貧困や格差を克服する方法として協同組合運動を推進した。懇談会では、鳩山氏の「友愛」、平岡氏が所長を務める友和リサーチセンターの活動、賀川と新渡戸が担った「友和」の歴史を結び、署名活動にとどまらず、「友愛の政治経済」と平和の実現に向けた中長期的なネットワークを築く方向性が確認された。

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