【令和8年熊本地震】 宗援連が被災支援で情報交換 カリタスジャパン「心への寄り添い」も課題 2026年8月11日

 宗教者災害支援連絡会(宗援連、稲場圭信代表)は8月10日、第44回情報交換会「令和8年熊本地震の現状」をオンラインで開催した。被災地で支援に携わる諸宗教の関係者ら約80人が参加し、避難所や支援拠点となった宗教施設の状況、今後必要とされる支援について情報を共有した。

 冒頭、代表の稲場氏(大阪大学大学院教授)は、報道が集中する地域がある一方、被害を受けながら十分な支援が届いていない地域もあるとして「支援格差」を指摘。地域に根差す寺院や神社、教会などが、被災しながらも「誰が困っているのか」「どこに物資が届いていないのか」を把握し、公的支援の隙間にあるニーズを支えていると強調した。

 熊本から戻ったばかりで現地の状況を報告したのは、カリタスジャパン秘書のシスター橋本晶子氏。既報の通り、八代市の児童養護施設「八代ナザレ園」では井戸水を利用できたことから入浴設備を地域住民に開放し、能登から運ばれたシャワーブースも設置された。8日までは24時間無料で開放され、現在も午後10時ごろまで利用でき、夜間は医療従事者に限って対応している。

 カトリック八代教会では、発災直後から信徒らが教会に届いた支援物資を配布してきた。外国籍の住民も多く訪れ、フィリピンやベトナム出身者らが信徒かどうかを問わず物資を受け取りに来たという。教会には連日ひっきりなしに人が訪れ、対応する信徒の疲労も大きくなったことから、いったん配布を休止。AAR Japan(難民を助ける会)とも連携しながら、SNSを通じて別の配布場所へ誘導するなど、支援を分散させている。

 八代教会には地震後、想定以上の物資が集まり、福岡教区も8月3日の時点で新たな物資提供をいったん控えるよう呼び掛けていた。一方、現地ではスーパーやコンビニなど営業を再開する店舗も増え、AAR Japanも八代市で炊き出しなどの支援を継続している。橋本氏は、物資を熊本市から大量に運び続ける段階から、必要な人に必要な支援を届ける段階へ移りつつあるとの認識を示した。

 今後、カリタスジャパンが重視するのが外国籍住民への支援。橋本氏によると、氷川町では海外から来た住民のための相談窓口も設けられており、八代教会などを通して「海外から来ている方々の支援をしていきたい」とした。発災直後から外国籍住民が八代教会に集まった背景には、地域の教会が日常的につくってきたつながりもある。

 同時に、物資だけでは測れない被災者の負担も見え始めている。橋本氏は現地での聞き取りから、住宅などの被害自体は大きくなくても「ショックが大きい」人や、高齢者が一人で暮らし続けることへの不安、続く余震への恐怖を訴える声があると報告。「心の部分」にこれからどう寄り添っていけるかが課題になると述べた。

 情報交換会ではこのほか、創価学会の熊本平和会館が発災後に近隣住民を受け入れたことや、浄土真宗本願寺派の西福寺が一時的な避難場所となった後、敷地を複数の災害支援団体の活動拠点として提供していることなども共有された。宗教施設が避難場所から物資配布、ボランティアの拠点へと役割を変えながら、地域のニーズに応えている実態が浮かび上がった。

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