韓国「13年後、教会の半数で牧師招聘困難」 総神大総長が警告 2026年9月15日

韓国最大級の保守長老派、大韓イエス教長老会・合同の牧師不足が今後急速に深刻化し、13年後には所属教会の約半数で主任牧師を招聘できなくなる可能性があることが分かった。総神大学校=写真=の朴成圭(パク・ソンギュ)総長が9月15日、ソウル・サラン教会で開かれている同教団第111回定期総会で報告した。教団紙『基督新聞』など韓国メディアが伝えた。
朴氏によると、2038年までに退職する牧師は8千人を超えるのに対し、後を継ぐ牧師は3500人余りにとどまる見通し。3年後の2029年には、退職する牧師の数が新たに按手を受ける牧師を上回る「デッドクロス」が始まり、単純計算では2039年、教団の約1万1千教会の半数が主任牧師を確保できなくなるという。「牧師不足は教会だけでなく、老会と総会、宣教師派遣の衰退にもつながる」と危機感を示した。
この予測は今回初めて示されたものではない。同教団の未来政策戦略開発委員会は2024年、牧師の年齢構成などを調査。23年時点で1万1920教会、主任牧師1万1235人、補佐牧師6876人を数えたが、39年までに現職主任牧師の約76%が退職すると推計した。総神大の李鍾敏(イ・ジョンミン)教授は、若い世代の補佐牧師数などを基に、将来主任牧師を招聘できる教会は全体の約半数になると報告していた。韓国『聖潔新聞』も当時、「2030年から主任牧師不足が本格化する」と伝えている。
背景には、牧師を送り出す神学校への志願者減少がある。韓国『毎日経済』によると、総神大神学大学院は2023年度、募集定員343人に対して志願者が321人となり、1980年の開校以来初めて定員割れした。同年、主要神学大学院10校のうち定員を満たしたのは長老会神学大学校のみだった。かつて総神大神学大学院は高倍率で知られたが、少子化に加え、若者の宗教離れや牧師職をめぐる環境の変化が担い手確保に影響していると分析されてきた。
朴氏は対策として、「1老会1神学院生追加派遣」運動や神学院生への全額奨学金支援を要請。牧師の70歳定年延長も「真剣に検討すべき状況」とし、神学校を卒業しながら現在任地を持たない約1700人の「無任牧師」を再び牧会現場につなげる制度整備も求めた。
牧会者不足は国内の教会にとっても他人事ではない。日本基督教団の公式統計では、教会数は2021年度の1660から23年度の1648へ12減だったのに対し、現任教師は1918人から1846人へ72人減少。さらに24年度は、教会・伝道所数が前年度比2減だった一方、正教師は50人減ったと報告されている。
韓国では大量退職が一斉に訪れる「2030年代問題」として、日本ではすでに兼務・代務や無牧、地域教会の維持という形で、牧会者を誰が担うのかが問われている。教会の高齢化と神学校志願者の減少が重なる中、牧師を増やすだけでなく、待遇、養成制度、定年、教会統合や複数教会を支える牧会のあり方まで含めた再設計が、日韓双方の教会に迫られている。
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