解散後も続く被害者救済の課題 鈴木エイト氏が旧統一協会の動向と報道の責任問う 2026年9月22日

 世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の解散後に残された課題を考える講演会が9月22日、東京都内で開かれた(やさしいまちをつくる会きたく、あけび書房共催)。ジャーナリスト・作家の鈴木エイト氏が、長年の取材をもとに、清算手続きと被害者救済、関連団体の動向、政界との関係などを報告。安倍晋三元首相銃撃事件と山上徹也被告への取材にも触れ、被害を受けた人が救済への希望を持てる社会の必要性を訴えた。

 鈴木氏は解散後の課題について、献金などの金銭的損失に加え、精神的な苦痛や家族関係への影響、失われた人生の時間など、被害には金額だけでは捉えきれない側面があると指摘。被害者が支援につながり、適切に救済を求められることが重要だとした。

 政界との関係については、選挙での票数に加え、選挙運動を担う人員の提供が政治家との結び付きを支えてきたと分析した。とりわけ国会議員だけでなく、地方議会への働き掛けや地域活動を通じた関係も注視するよう促した。

 また、山上被告との面会や裁判の傍聴をもとに執筆した『アンビバレント 山上徹也が私だけに明かした謎の核心』(講談社)にも言及。法廷での言葉だけでは十分に明らかにならなかった動機について、被告の感情や認識には複数の要素が絡み合っており、単純な図式に当てはめることへの疑問を呈した。

 同時に、自らの報道を振り返り、問題を告発してきた一方で、被害者が救済を実感し、希望を持てる状況につながっていたのかとの葛藤を吐露。社会問題の被害を受けた人が重大な事件を起こす連鎖をどう防ぐのか。その問いを、個人の責任とともに社会や報道機関が引き受けるべき課題として提示した。

 解散命令後、旧統一協会を擁護する言論人やインフルエンサーが目立つようになり、牧師を含む一部の宗教者も擁護に加担している点にも触れ、脱会した宗教2世らが誹謗中傷を受け、声を上げにくくなる状況への懸念を示した。

 事件の動機を報じることが犯人の意図に沿うとして、報道自体を否定する議論にも疑問を示し、何を報じ、何を検証するかを判断するのは報道機関の役割であり、個別の事件の背景を丁寧に調べる必要があると強調。解散を区切りに関心を薄れさせることなく、被害者救済と教団の実態、政治との関係を追い続ける重要性を訴えた。

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