青山学院ミュージアム開館 「小さな光」から150年 間島記念館を改装 2025年6月11日

 2024年に創立150周年を迎えた青山学院(堀田宣彌理事長)は、記念事業の一環として同大学青山キャンパス(東京都渋谷区)にある間島記念館を全面改装し、5月8日、資料センターをリニューアルして「青山学院ミュージアム」を開館した。学院の歴史とキリスト教教育の精神を学ぶ場として、学生や教職員だけでなく、学外の利用者にも開かれている。

 ミュージアムでは、メソジスト監督教会の宣教師と日本人キリスト教徒との協力によって開校した女子小学校、耕教学舎、美會神学校以来の歴史的な変遷や、近世・近代日本のキリスト教史に関する資料を収集、保存、公開。デジタルアーカイブの閲覧ができる多目的ラウンジも備えている。

 ミュージアムが入る間島記念館は、校友である間島弟彦の遺志により1929年に青山学院の中央図書館として建てられた。コリント式円柱を特徴とするルネサンス様式の建築で、2008年には国の登録有形文化財に指定された建物。

 館内のミュージアムシアターでは、時空を超えて紡がれた先人たちの思いを視覚的に印象づけ、ミュージアムの廊下を活用した展示スペース「コリドールギャラリー」では、遺された関係者による至言の数々が来館者を奥の展示室へと誘う。

 常設展示では、学院150年の歴史を150の灯火に見立てた光で表現=写真下。展示されたオルガンが奏でる賛美歌の音色を聴くこともできる。源流である女子小学校を開校した宣教師ドーラ・E・スクーンメーカーが回想した言葉「極く暗き場所に於ける誠に小さな光」に着想を得て、「サイレントライト」をコンセプトに、来館者を静かな光で優しく包み込むような空気感を意識して設計されたという。

 ミュージアム館長の小林和幸氏(青山学院大学文学部教授)は5月1日に行われた開所式で、「青山学院が目標として掲げるサーバント・リーダーの育成に貢献し、学生や校友の交流の結節点として、また国内外の方々に親しまれ、支援者の拡大に寄与するよう運営していく」と抱負を語った。「在学生や校友だけでなく、受験生にも来館してもらい、建学の精神や学院の歴史を知ってもらえれば志望校選択にもつながるのでは」と期待も込める。

 1899年、宗教教育を禁じる「文部省訓令第12号」への対応を迫られる中、どのようにキリスト教の理念を堅持したのか。昭和期の軍国主義時代をどう克服したのか。学院がたどった苦難の歴史からも、学ぶべき教訓は少なくない。

 ミュージアムでは今後、他のキリスト教学校や、区内の他大学、博物館と協力した特別展示のほか、学芸員の実習の場としても活用したいとしている。問い合わせは同学院ミュージアム(☎03-3409-6742)まで。詳細は公式サイト(https://www.aoyamagakuin.jp/ag-museum)を参照。

【利用案内】
■ 所在地:〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 間島記念館
■ 開館時間:月~金=午前9時半~午後4時半/土=午前9時半~12時半 (第3土曜日=午前9時半~午後4時半)
■ 休館日:日曜・祝日、その他学院が定める休日
■ 入館:無料

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