『礼拝と音楽』最終号回収の背景に人権事案 日本基督教団「二次加害に加担しかねない」と判断 2026年5月25日

日本キリスト教団出版局が発行する季刊誌『礼拝と音楽』最終号(209号、2026年春号)=写真=が、発行から1カ月足らずで回収されるという異例の事態となった。日本基督教団は4月30日付で公式サイトに「『礼拝と音楽』No.209 回収のお知らせとお願い」を掲載し、「人権を揺るがす、回収するに相当する事柄」が判明したとして、読者に返品と回収への協力を呼び掛けた。
同誌は1955年創刊の礼拝・教会音楽専門誌。日本のプロテスタント教会の礼拝形成に大きな影響を与えてきたが、日本キリスト教団出版局の事業整理に伴い、209号をもって休刊するとしており、最終号は「音楽と礼拝」を特集していた。
公式発表では回収理由の詳細は明らかにされていなかったが、関係者向けの内部文書によれば、同号執筆者の一人に関する未解決の人権案件が背景にあったことが明らかになった。
文書によれば、被害を受けた当事者から教団側に指摘が寄せられ、日本基督教団の危機管理対応担当幹事および担当職員が、当該執筆者の所属教派責任者に照会。その結果、「被害者からの指摘は事実であり、解決していない案件」であることが確認されたという。
教団側は、『礼拝と音楽』の当該号を発行し続けることは、二次加害に加担することになりかねず、人権侵害を放置した状態にすることにより、広告主にも迷惑をかけると判断し、総幹事および出版局長代行の責任で回収を決定したとしている。広告主向けには、広告料返金の方針も示された。
また別の文書では、「今回は他教派における事案であり、私どもには詳細を調べる権限はない」ものの、これまでも差別問題、ハラスメント問題などの事案に対処してきた教団として「被害者の側にあるという立場を堅持し」「教派の責任者からの回答を持って」判断したと説明した。
さらに教団側は、問題箇所を修正・削除した代替版を非売品として制作し、関係者に配布する準備を進めていることも5月23日発行の機関紙「教団新報」で明らかにしている。













