旧統一協会の解散命令確定 最高裁、特別抗告を棄却 2026年6月24日

宗教2世団体「支援施策の拡充を」
最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)は6月22日付で、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に解散を命じた東京高裁決定を支持し、教団側の特別抗告を棄却した。決定は23日に教団側へ送達され、解散命令が最高裁で確定した。民法上の不法行為を根拠として宗教法人に解散を命じる司法判断が確定したのは初めて。
最高裁は、教団の信者らが長期間にわたり、不相当な献金勧誘によって多数の人に極めて多額の財産的、精神的損害を与え、教団が組織的に関与していたと認定。今後の被害を防ぐ実効性ある措置も講じられていないとして、教団や信者の精神的、宗教的側面に及ぼす影響を考慮しても、解散命令は「必要でやむを得ない」と判断した。信教や結社の自由を保障する憲法に反するとの教団側の主張も退けた。
文部科学省は2023年10月、報告徴収・質問権の行使や被害者からの聞き取りを経て解散命令を請求。東京地裁は2025年3月に解散を命じ、東京高裁も今年3月4日、教団側の即時抗告を棄却していた。高裁決定の時点で解散命令の効力が生じ、教団は宗教法人格を失い、裁判所が選任した伊藤尚弁護士による清算手続きが始まっている。
宗教2世の当事者団体「宗教2世問題ネットワーク」代表の団作氏は、今回の決定について、宗教団体に明確な刑法違反がなくても、公共の福祉を害し、信者の家族に深刻な影響を及ぼす場合があることを示した司法判断と受け止めた。
同氏は、これまで宗教団体の行為を否定的に捉えること自体が社会的なタブーとされ、その影響で宗教2世への支援をめぐる議論も遅れてきたと指摘。「宗教団体の行為が信者の家族、宗教2世の人生を破壊することがあるという厳然たる事実」を前提に、国や地方公共団体が支援施策の拡充と社会的な仕組みづくりを急ぐよう求めた。
文化庁は最高裁決定を受け、「裁判所に国側の主張が認められたものと受け止めている」とし、清算人や関係省庁と協力して被害者救済に必要な対応を進めるとのコメントを発表した。これに対し教団側は、高裁決定の問題点が聞き入れられなかったことは「大変遺憾」と表明した。
解散命令後も教団関係者の活動は続いている。4月には元幹部らが、同じ教義に基づく宗教活動を継続し、新たな献金を管理する団体「FFWPU」の設立を進めていると報じられた。法人格の消滅だけでは被害の再発を防げないとして、活動実態を継続的に検証する必要性も指摘されている。
キリスト教界では、カトリック中央協議会、日本基督教団、日本聖公会、日本バプテスト連盟、日本キリスト教協議会(NCC)など8教派・団体が2023年、統一協会を「法令に違反し、著しく公共の福祉を害する『破壊的カルト』」と位置付け、解散命令請求を評価する声明を発表した。日本基督教団も今年3月、解散命令は教団が「何を信じているか」ではなく、「どのような組織的行為をしてきたか」を問題とするものだと強調した。
一方、一部の牧師や信徒からは「信教の自由」を理由に解散命令に反対し、統一協会側の主張に同調する発信も続いてきた。最高裁が解散命令を合憲と判断したことを受け、キリスト教界には、信教の自由という言葉によって被害者や宗教2世の訴えを後景に追いやってこなかったかを検証し、相談・救済体制を強化する自浄作用が改めて求められている。














