【令和8年熊本地震】 教派越え安否確認続く 日本基督教団は救援委設置 2026年7月29日

7月28日午後4時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7・1の地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を観測した。気象庁は一連の地震活動を「令和8年熊本地震」と命名。発生翌日の29日も、各教派・教団が教会や信徒の安否確認と被害状況の把握を進めている。
日本基督教団は29日午前10時、「2026年熊本地震救援対策委員会」を設置。現在は被災状況の情報収集に当たっており、被災した教会・伝道所や関係施設では安否確認を優先しているとして、直接の問い合わせを控えるよう呼びかけている。
同教団九州教区が公開する被災状況一覧には、29日午後5時56分現在、16カ所が掲載された。内訳は「無事・被害なし」8カ所、「被害」6カ所、「確認中」2カ所。合志豊岡伝道所の会堂は無事だったが、関係するひかりの子保育園では、2階の天井埋め込み式エアコンが落下し、重い仕切り扉が飛ぶなどして、保育室が使えない状態となった。
熊本城東教会では、教会や信徒宅、教師住宅で物の落下・転倒などの軽度被害があり、確認済みの信徒と教師にけがはなかった。武蔵ヶ丘教会では牧師館の荷物が散乱し、居室のエアコンが外れて落下した。八代教会は礼拝堂と牧師館に外観上の大きな被害はなかったものの、断水が続き、避難所で過ごす信徒もいる。熊本白川教会では信徒宅1軒のガラスが割れた。錦ヶ丘教会は会堂と牧師館の無事を確認したが、教会員全体の安否確認を続けている。天草平安教会は信徒の無事を確認したものの、会堂は未確認となっている。
熊本草葉町教会、隈府教会、荒尾教会、山鹿教会では、人的・建物被害は確認されていない。在日大韓基督教会熊本教会も、金聖孝牧師と建物の無事を確認した。また、鹿児島県の川内教会に併設するのぞみこども園では、2階のガラスや内階段の壁に亀裂が見つかった。
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団は、九州教区長の上田努氏から寄せられたシャロンキリスト教会(八代市)と川尻キリスト教会(熊本市)の状況を公表した。両教会の牧師家族らは福岡県での教区キャンプに参加中で、けがはなかった。八代市中心部と熊本市内の信徒宅では物損があったものの、家屋の大きな被害は確認されていない。一方、宇城市や氷川町に住む信徒の自宅では大きな被害があり、停電や断水が発生しているという。
シャロンキリスト教会の信徒1人は転倒して頭部を負傷したが、病院も停電していたため、冷やす以外の処置を受けられなかったと報告されている。両教会の会堂被害は、牧師らが不在のため確認できていない。同教団は、キャンプに参加している熊本県内の子どもたちの安全な帰宅と、道路が寸断された人吉方面の関係者のために祈りを求めている。
日本ハリストス正教会(日本正教会)で九州全域を担当するグレゴリー神父は28日、自身のブログで、確認できた範囲では信徒に人的被害はなかったと報告した。最も被害が懸念される熊本伝道所(旧熊本ハリストス正教会)の建物は、九州自動車道と九州新幹線の不通により、現地で確認できていないという。福岡教会とグレゴリー神父自身に被害はなく、同教会の活動は通常通り行う予定としている。
カトリック中央協議会は、公式サイトに「熊本地震祈りの呼びかけ」を掲示し、被災者のために共に祈るよう呼びかけた。あわせて、2021年に日本カトリック司教協議会が認可した「災害被災者のための祈り」を案内している。祈りは、苦しい生活や不安な日々を送る人々が希望を失わないよう願い、キリスト者が祈りと行動によって連帯を示す内容となっている。
単立の木山キリスト教会(益城町)では会堂内が散乱し、礼拝を行える状態には戻っていない。松尾献牧師は、片付けを進め、教会員や近隣住民のための避難所として会堂を開放したい意向を示している。一方、熊本東聖書キリスト教会は、教会員の高齢化や近隣に住む信徒が少ないことから、避難所や支援拠点として機能することの難しさを訴えた。2016年に続く被災で、地域と教会の体力的、精神的な疲弊も大きいという。
日本ホーリネス教団熊本植木キリスト教会では、牧師家族と教会員に大きな人的被害はなく、一部の信徒宅で家具の転倒などがあった。熊本ナザレン教会は会堂と信徒の無事を確認。希望ヶ丘キリスト教会、日本バプテスト連盟有明キリスト教会、単立の高森キリスト教会でも、人的被害は確認されていない。
各教会では、なお安否確認や建物の点検が続いている。29日夜までに教団・教区としての公式発表が確認できていない教派についても、今後の情報が待たれる。
(7月29日午後9時30分現在。随時更新)














