JEA社会委が米・イスラエルの対イラン攻撃を批判 「報復ではなく対話を」 2026年9月10日

日本福音同盟(JEA)社会委員会(星出卓也委員長)は9月9日、米国・イスラエルとイランの軍事衝突をめぐる8月31日付の声明を公表した。双方に武器の行使を止め、対話による平和的解決を模索するよう求めるとともに、米国とイスラエルによる武力行使について「正当化することはできません」と踏み込んだ。
声明は、2月28日に米国とイスラエルがイランへの大規模攻撃を開始し、イランによる反撃が中東各地に拡大した経緯に言及。6月17日に米国とイランが停戦に向けた覚書を交わした後も、船舶への攻撃や米国による武力行使が続き、情勢は不安定だと指摘した。ロイターによると、2月末に始まった米・イスラエルの攻撃以降、イランを中心に多数の民間人が犠牲となり、9月に入ってからも米軍によるイラン国内への攻撃が続いている。
社会委員会は、国家の為政者に「悪を抑止し、人のいのちを守る」ための権能があること自体は聖書にかなうとした一方、その行使は「法の支配と平和の理念」の下で厳しく制限されなければならないと主張。核兵器拡散への懸念を認めながらも、「国際法上、重大な疑義を免れない武力行使や相手国の指導者を含む要人の殺害を伴う軍事行動に踏み切ったことを正当化することはできません」とした。核開発をめぐる協議中の攻撃は「対話による解決の道を損ない、憎悪と報復の連鎖を招く」と警告している。
さらに、軍事力や経済力を持つ大国が「自国の安全保障や国益を最優先し、国際社会の合意形成や他国の主権を軽視する姿勢」は分断と不信を深めると指摘。「いかなる国家であれ、自国中心的な論理によって他国を従わせようとするあり方に警戒しなければなりません」と訴えた。
その上で、イエスが命じた「隣人を自分自身のように愛しなさい」(マタイ22章39節)や「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」(同5章44節)を引用。対立する国家同士であっても相手を「滅ぼすべき敵」ではなく、「共に生きるべき『隣人』」として見るよう促す教えだとした。
教会の務めについては、国や民族、宗教、体制を越えて人々を「神が創られた尊い隣人」と覚え、「敵意ではなく和解を、報復ではなく対話を実現するために祈り、願い、働きかける」と表明。イランをはじめ中東で戦火に苦しむ教会や信仰者、避難を強いられた人々への祈りを呼びかけ、日本も中東の平和と深く関係する立場にあるとして、各国政府が外交と対話による和解の道を歩むことを求めた。
声明は最後に「これ以上の武器の行使を止め、人のいのちを奪う深刻な事態から遠ざかり、対話による平和的な解決の道を模索することを切に求めます」と訴えた。また、同声明はJEA社会委員会の責任で公表されたものであり、「日本福音同盟加盟諸団体の全体の公式見解を示すものではありません」とも付記している。















