日韓の宗教者・市民社会が8・15共同宣言 「植民地主義の清算なくして平和なし」 2026年8月10日

 日本と韓国の宗教者、市民団体などでつくる「日韓和解と平和プラットフォーム」は8月10日、第二次世界大戦の終結から81年を迎える8月15日に向け、「2026年日韓和解と平和プラットフォーム8・15共同宣言文」を発表した。韓国では11日、国会議事堂で記者会見を行う。日本では会見を予定していない。プラットフォームは2020年7月、日本と韓国・朝鮮の和解と平和を求める市民グループと宗教者によって発足した。

 宣言は、朝鮮半島の分断や東アジアの冷戦的な対立構造、植民地主義の清算をめぐる葛藤が重なり、地域の不安定さが続いているとの認識を示した。その上で、日韓両国の「真の和解と東アジアの平和」に向けて、「植民地主義の清算」と「平和のための協力」を出発点に据える必要があると訴えた。

 宣言は「植民地主義の清算なくして平和なし」「冷戦的対決構造を越えて平和体制へ」「私たちが進むべき方向」の3項目で構成される。

 第1項では、日本による朝鮮半島の植民地支配をめぐる歴史認識を問い、「被害者中心主義」を植民地主義清算の核心に位置付けた。日本軍「慰安婦」や強制動員労働者をめぐる問題について、日本政府と企業に対し、責任を認め、被害者が納得できる公式謝罪と賠償を行うよう求めている。関東大震災時の朝鮮人虐殺についても、日本側が真相究明と責任の問題に向き合う必要があるとした。

 第2項では、日米韓による安全保障協力や軍事演習の拡大を取り上げ、軍事的な対決の深まりが東アジアの平和を脅かしていると指摘。中国、ロシア、朝鮮を含めた軍備増強と相互の軍事協力が陣営間の対立を激化させているとの見方を示した。また、韓国と朝鮮が現在も敵対関係にあるとして、対話による関係改善の必要性を訴えた。

 その上で宣言は、軍事的圧力ではなく相互の安全保障と信頼醸成に力を注ぐことと、植民地主義の清算を進めることを「一つの課題」と位置付けた。朝鮮半島での戦争状態の終結、朝米・朝日国交正常化、南北関係の改善、朝鮮半島平和協定と東北アジアの平和体制構築などを求めている。

 日韓両国の宗教・市民社会が今後、「力による安全保障」ではなく「敵対の終結と主権の尊重による平和」を目指すと表明。過去の歴史を記憶し次世代へ伝える「記憶の連帯」を深め、「東アジアという共同の『平和の家』」を築いていくと結んだ。

 日本側の共同代表には、小野文珖氏(宗教者九条の和)、髙田健氏(許すな!憲法改悪・市民連絡会)、野平晋作氏(ピースボート)、光延一郎氏(日本カトリック正義と平和協議会)が名を連ね、運営委員・事務局には日本キリスト教協議会(NCC)、在日大韓基督教会、日本バプテスト連盟、平和を実現するキリスト者ネットなどの関係者も参加している。韓国側でも韓国基督教教会協議会(NCCK)やカトリック、円仏教、市民団体など幅広い宗教・社会運動の関係者が加わっている。

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