【「親なきあと」をともに生きる~お寺と教会の〈語らい〉から始まる支援】 答えではなく、共感を求める場所 坂口愛乃 2026年9月11日

私が初めて「親あるあいだの語らいカフェ」に参加させていただいたきっかけは、地域活動として私が広めるお手伝いをしている「ミニらいとモルック®」でした。フィンランド発祥の投てきスポーツ・モルックを小型化・軽量化した日本発祥のユニバーサルスポーツで、性別や年齢、障がいの有無に関係なく安全に楽しめます。
大阪市天王寺区の浄土宗銀山寺で2年半ほど前、「親あるあいだの語らいカフェ」と「介護者カフェ」の同時開催で体験会が行われ、このような場所があることを知りました。
私は長年介護の現場で働き、ケアマネジャーとして、高齢者など介護を必要とする方々や家族との交流の場や、地域とのつながりについて考えていましたが、お寺や教会の取り組みや地域における役割を、ほとんど知りませんでした。
「親あるあいだの語らいカフェ」に通うようになり、お寺や教会は檀家・門徒や信者の方々だけの場所ではなく、誰もが訪れ、人と人が出会い、支え合える開かれた場所なのだと知りました。
年齢や性別、住んでいる場所や職業など関係なく、安心していろいろなことを語れる場所。ここでは、自分には関係ないと思っていた話題からも、大切な気づきをもらうことがあります。また、「こんな話が誰かのお役に立つのだろうか?」と思うような自分の経験も、興味深く耳を傾けてくださることがあります。話すこともまた、誰かを支えることになるのだと感じました。
私には介護現場での経験や知識、認知症の父と暮らした時間や体験があります。けれど、ここに通う中で、「自分も頼られる立場であり、同時に誰かに頼っていいのだ」と思えるようになりました。

カードゲームを通じて語り合いに参加する筆者(右)。銀山寺の「親あるあいだの語らいカフェ」は「介護者カフェ」と同時開催されている=2月11日、大阪市天王寺区
昨年、父のことでたいへんだった時期に、参加者の方から「それはたいへんでしたね。自分には解決法は分からないけれど、つらい気持ちは分かります。お話を聞くことはできます」と声をかけていただきました。その言葉がとてもうれしく、心が軽くなりました。
その時、「ここは答えを求めに来る場所ではなく、共に共感し、思いを分かち合う場所なのだ。話すことで、また元気をもらって帰れる場所なのだ」という気づきもありました。それからは、「介護者カフェ」などに呼んでいただく際も、自分の知識や経験を伝えることだけではなく、相手のお話を聴かせていただくことを大切にしています。
今では銀山寺で毎週金曜日に「100歳体操」と「ミニらいとモルック」が開催されており、私が探していた地域のコミュニケーションの場が生まれています。また、「親あるあいだの語らいカフェ」や「介護者カフェ」で出会った方々は、私にとって大切な心の友です。
ここは互いに支え合える場所。 誰もが取りこぼされない場所。安心できる場所。 そんな温かさを、ぜひ足を運んで感じていただきたい、と思います。
さかぐち・あいの 大阪市在住。介護福祉士・ケアマネジャー。認知症の父と長年暮らした経験から、専門職、介護者家族両方の立場で介護者カフェなどへ参加。介護や認知症家族へのアドバイスなどを行っている。
*問い合わせは同相談室(https://otera-oyanaki.com/)まで。
【「親なきあと」をともに生きる~お寺と教会の〈語らい〉から始まる支援】 「私、こんなに疲れていたんですね」――語らいカフェの小さな保健室 時任春江 2026年9月1日















