教皇レオ14世 仏で熱烈歓迎 パリのミサに80万人 2026年9月27日

フランスを訪問中の教皇レオ14世は9月26日、パリ中心部のコンコルド広場で野外ミサを司式した。AP通信によると、バチカンは参加者を80万人と推計。事前登録の約60万人を大きく上回った。仏紙「ル・モンド」もバチカン発表として80万人と報じた。コンコルド広場からシャンゼリゼ通りを経て凱旋門に至る約2キロの一帯が群衆で埋め尽くされた。
説教で教皇は、人間の心にある「渇き」を取り上げ、物質的なものだけでは人間を完全に満たすことはできないと指摘。「神だけが私たちの内なる空虚を満たすことができる」と語った。さらにフランスの「長く美しい信仰の歴史」を受け継ぐ人々に、イエス・キリストへの信仰を自分たちだけのものにせず、「あなたが出会う人々が潤され、その渇きが満たされるように」あふれさせるよう呼びかけた。
ミサが行われたコンコルド広場は、フランス革命期にルイ16世やマリー・アントワネットらがギロチンで処刑された場所でもあり、今日では共和国を象徴する空間の一つ。厳格な政教分離(ライシテ)を掲げ、長く世俗化が進んできたフランスの首都中心部を数十万人のカトリック信徒が埋める光景は、国内でも大きな注目を集めた。
前日の25日夜には、パリ郊外サン=ドニのスタッド・ド・フランスで若者との集会が開かれ、約8万人が参加。AP通信によると、国立競技場を埋めた若者たちは、花火やフランスのカトリック史をたどる演出などを交えながら教皇を迎えた。教皇はフランス語で「あなた方の勇気に感謝します。あなた方の存在に感謝します。あなた方の信仰に感謝します」と語り、「あなた方はフランスの聖人です」と呼びかけた。
若者との対話では、「神をめぐる問題とは無関係にさえ思える社会」の中で、宣教への情熱と、信仰を共有しない人々との兄弟愛をどう両立させるのかという問いも出された。教皇は、社会が神に無関心に見えても「神は私たちに無関心ではない」と応答。将来への不安やデジタル社会、気候変動などをめぐる問いには、平和への奉仕が「恐れを希望に、不満を責任感に変える」と語った。
こうした熱気の背景には、近年フランスで顕著になっている成人、とりわけ若い世代の受洗者増加がある。フランス司教協議会によると、2026年の復活祭に洗礼を受けた成人は1万3234人で、前年から28%増加。2016年の4124人から10年間で3倍以上になった。成人受洗者のうち18~25歳が42%を占め、最大の年齢層となっている。
AP通信は今回、フランスを「かつて強固なカトリック国だったが、現在は公式に世俗国家」と位置付け、欧州各地で教会出席者が減少する中でも、今回の80万人という人出がカトリック教会の根強い吸引力を示したと報じた。
フランスのカトリック教会は、聖職者らによる性的虐待によって損なわれた信頼の回復という重い課題を抱える。2021年の独立調査は、1950~2020年に教会関係者から性的虐待を受けた未成年者を約33万人と推計した。教会側は独立した補償制度などを設けてきたが、被害者からは、さらに踏み込んだ制度改革を求める声が続いている。ロイター通信は今回の訪仏を、フランス教会が虐待問題の衝撃になお向き合う中での訪問と位置付けている。















