名古屋聖文舎 2027年3月末で閉店へ 法人清算後も個人で事業継続 2026年10月12日

キリスト教書籍などを扱う有限会社聖文舎(名古屋聖文舎、伊奈均志取締役)は、2027年3月31日をもって店舗を閉店する。10月1日付で顧客向けに発表した。2023年7月に今池の旧店舗から日本キリスト教団東海教会の集会室「シオン館」に移転し、賃料を抑えながら事業継続を図ってきたが、累積損失を解消できず、赤字からの脱却が困難と判断した。
同社によると、過日の株主総会で店舗の閉店と法人の解散・清算の方針を決めた。年明けの早い時期に臨時株主総会を開き、法人解散の特別決議と清算人の選任を行う予定で、2027年7月末ごろまでの清算結了を見込む。
店舗移転による固定費削減など経営改善を進めたものの、売り上げの減少が想定を上回る速さで進んだことが閉店を決断する要因となった。一方、前期までに金融機関などからの借入金はすべて完済しており、現在残る債務は伊奈氏個人から会社への貸付金のみという。
42年にわたり同社の事業に携わってきた伊奈氏は、1990年のバブル経済崩壊後も経営を続けてこられたことについて、「数々の幸運をもたらした神さまの導きがあったから」と振り返る一方、携帯端末の普及やAmazonなどEC(電子商取引)の拡大によって書店を取り巻く環境が大きく変化したことを踏まえ、「イノベーションの破壊的影響を体現した書店経営だった」と総括する。借入金を完済した現在が一つの区切りだと判断したという。
店舗閉店後の2027年4月以降は、伊奈氏が個人事業主として、当面は無店舗で学校関係の教科書と名古屋市内の限られたエリアでの書籍販売などを継続する予定。顧客向けの通知では、長年の利用への感謝を伝えるとともに、「文書伝道の担い手を貫徹できず」と閉店への思いをつづっている。

















