「侵略戦争は容認できない」 12の国・地域の宗教者が共同声明 第4回東京平和円卓会議 2026年10月21日

 世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は10月13、14の両日、千葉市で「第4回東京平和円卓会議」を開催した。ウクライナ、ロシア、パレスチナ、イスラエルなど12の国と地域から宗教指導者や青年ら約100人が参加。「平和、人間の尊厳、そして共有される責任」をテーマに、紛争当事者間の対話や宗教者の役割について協議し、最終日に「侵略戦争は決して容認できません」と訴える共同声明を全会一致で採択した。

 会議には、ウクライナ、ロシア、パレスチナ、イスラエル、イラン、アメリカ、ヨルダン、ケニア、トルコ、ネパール、韓国、日本から参加者が集まった。ウクライナとロシア、パレスチナとイスラエル、イランとアメリカの3組に分かれた分科会も設けられ、対立や不信が深まる中で、宗教指導者がいかに対話と意思疎通の機会を維持し、相互理解と和解につなげられるかを話し合った。

 採択された声明は、ウクライナとロシア、中東、ハイチ、ミャンマー、スーダンなど世界各地の紛争に言及し、前回の会議以降、多くの地域で状況がさらに悪化していることに懸念を表明。政治指導者に対し、武器を下ろして直ちに交渉の席に戻り、紛争を終結させるよう強く求めた。

 また、人間の尊厳は国籍や民族、宗教、政治的立場などによって左右されるものではないと強調。一つの共同体の苦しみを理由に、別の共同体の苦しみに無関心であってはならないと訴えた。宗教者が共有する道徳的責任として、民間人への暴力に反対するとともに、宗教が戦争の正当化や対立の扇動に利用されることを防ぎ、人々の間に信頼を築くために宗教の力を用いる決意を示した。

 WCRP日本委員会の開催報告によると、会議では紛争をめぐる参加者それぞれの経験や異なる認識が共有された。参加者からは、相手を正そうとすることよりも、まず互いのつながりを保つことが重要だとの意見が出された。一方、戦時下で宗教が誤用され、戦争を正当化する言説として利用されることへの危惧も表明された。

 声明は、平和の実現には信頼と対話の回復が不可欠だと指摘。深刻な意見の相違があっても、対話を継続することが宗教指導者に課せられた責任であるとの認識を示した。

 今後の取り組みとしては、緊張が高まる状況でも対話の経路を維持し、和解に向けた「架け橋」を築くこと、紛争地域の共同体内や異なる宗教間での対話を促進すること、女性と若者の和平プロセスへの参画を拡大することの3点を確認した。

 会議での小グループ討議からは、定期的なオンライン会議や情報交換の場の設置、パレスチナとイスラエルの青年による対話交流プロジェクト、イラン国内における宗教間対話組織の構築など、具体的な活動の方向性も示された。対話を一過性の会合で終わらせず、継続的な実践につなげることを目指す。

 東京平和円卓会議は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を契機に、WCRP日本委員会が紛争当事国の宗教指導者を招いて始めた取り組み。第1回を同年、第2回を2024年、第3回を2025年に開催した。昨年の第3回会議では、宗教指導者による平和と和解への継続的な取り組みとして「東京和平プロセス」を掲げており、今回の会議はその一環として実施された。

 声明は結びで、戦争や暴力に苦しむ人々、とりわけ社会で疎外された弱い立場の人々への連帯を表明。子どもたちを中心に据えた平和な世界の実現に向け、生命の神聖さと人間の尊厳を基盤とする平和の文化を築くため、信仰の垣根を越えて祈りと具体的な行動を重ねていく決意を示した。

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