昨年末も各地で越冬支援 「教会だけでは力不足」 2010年1月23日

 一昨年の「派遣村」以降、政権交代を経てもなお回復の兆しの見えない雇用情勢のもと、昨年末も教会関係者による生活困窮者への支援活動が各地で展開された。全国の地方紙などが報じた。

【群馬】
 年が変わっても、明るい年になるという希望もなかなか見えない。JR高崎駅周辺を訪ねた。
 辺りはすっかり暗くなった12月29日午後5時過ぎの西口。カトリック教会の信徒が行う食料品の支給に、20人ほどの列ができた。
 10年近く支援を続ける安中市の矢中幸雄さん(66)の知る限りでは、この半年で2人、部屋で病気で倒れているのを見つけられて助かったという。矢中さんは、定期的に部屋を訪ね、一人ひとりに合ったかかわりを保つ必要を感じている。(朝日新聞)
【山梨】
 職や住居を失った生活困窮者を支援しようと、県内の10の民間団体が「やまなしライフサポート」を設立、12月27日から本格的に活動をスタートさせた。医療や雇用などの専門的知識を持つ団体がスクラムを組み、炊き出しに集まった生活困窮者の雇用先や住居の確保などを手助けする。
 ライフサポートの設立は昨秋の不況を受けて、甲府カトリック教会が始めた路上生活者向けの炊き出しがきっかけ。炊き出しは昨年12月から週1回行い、今年11月までに約50回実施。毎回50人前後が訪れている。
 同教会のミシェル・ゴーチェ主任司祭は「彼らの悩みはさまざま。社会に居場所を見つけるには、教会だけでは力不足だと感じた」と話す。
 問合せは甲府カトリック教会内のライフサポート事務局(℡055・237・2531)まで。(山梨日日新聞)
【岐阜】
 活動開始から今年で10年を迎えた岐阜市の野宿生活者支援の会。炊き出しに集まるホームレスの数は減りつつあるものの、ネットカフェ難民の増加や低年齢化など貧困問題は依然として根深く、会員らが活動の手を休められることはない。
 活動が始まった1999年ころは、岐阜バプテスト教会の牧師の野口哲哉代表と男性信者の2人だけ。徐々に支援の輪が広がり、翌年12月に金公園での炊き出しが恒例化。2003年には野宿生活者の自立支援にも乗り出した。
 野口代表は「潜在的なホームレス状態の人は確実に増えていると感じている」と気を引き締める。(中日新聞)
【長崎】
 佐世保市でホームレスを支援する日本キリスト教団佐世保教会牧師の深沢奨さん(42)らの活動がスタートから2年を超えた。深沢さんたちは「これからが冬本番。支援の輪を広げたい」と協力を呼びかけている。
 深沢さんたちが支援を始めたのは2007年12月。教会に通う青年から相談されたのがきっかけだった。週1回、夜にそれぞれの居場所を訪ねてバナナやアメなどの差し入れを始めた。1年たつころには、信頼されて名前を教えてくれるまでになったという。
 募金や活動の問合せは、同教会(℡0956・31・2042)まで。(朝日新聞)

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