「日の丸・君が代」強制に反対する〝祈りの会〟 「超教派キリスト者の会」として始動 2010年2月27日

 日本聖公会東京教区人権委員会(打田茉莉委員長)「日の丸・君が代」強制問題に取りくむ会が呼び掛ける超教派の「祈りの会」が、昨年11月に引き続き、聖バルナバ教会(東京都新宿区)で開催された。前回を上回る約50人のキリスト者教員らが参加した。
 第一部では、井口諭氏(聖公会神田教会司祭)による司式のもと、牧野理恵氏(日本同盟基督教団めぐみ教会、都立特別支援学校教員)、岸田静枝氏(日本聖公会清瀬聖母教会、区立小学校教員)の2人が証しを行い、共に礼拝をささげた。
 牧野氏は、起立して「君が代」を歌うよう職務命令を受けてから「退職を覚悟でキリストに従うか、自分の信仰を押し殺して職務命令に従うか」日々悩み、「起立まではする」という苦渋の決断に至った経緯を紹介。伴奏を聞きながら「心と体がバラバラになって崩れていくような気がした」と打ち明けた。
 今年で定年を迎える音楽科教員の岸田氏は、「わたしは単に、子どもたちへ卒業式や入学式でおめでとうと言いたいだけ」と語る。これまでは、会場に遅れて入るなどして「君が代」の伴奏を避けてきたが、今年の卒業式では初めから出席し、斉唱時には着席すると決意したという。
 続く第二部の懇談会では、会をより組織的に発展させていくための具体的な協議がもたれ、「教会の保守的な立場を否定するのではなく、教育現場の痛みに共感する運動でありたい」「信徒自身がどう考えるべきか、各教会内での啓蒙も大事ではないか」など、さまざまな意見が交わされた。
 前回、証しをした山口美紀氏(日基教団小金井緑町教会員)は、「これは政治や社会の問題ではなく、信仰の問題。個々人の判断として立とうが立つまいが、キリスト者教員が抱える悩みと痛みは共通しているはず。この一点ですべての教派がつながれる」と訴えた。
 保留になっていた会の名称については、憲法20条を中心に据え、当面「『日の丸・君が代』強制に反対し、信教の自由を求める超教派キリスト者の会」とし、「平和を実現するキリスト者ネット」に団体として加盟することとなった。今後は、他教派の会堂も会場として提供してもらいながら、継続的に「祈りの会」を実施していく予定。
 また、3月1日の東京都教育委員会に対する要請行動に向けて、賛同の署名も集める。要請の内容は次の3点。①生徒・児童・保護者・教職員に「日の丸・君が代」を強制しないでください。②「2003・10・23通達」および不当処分を撤回してください。③学校長に不当な職務命令を出させないでください。
 署名についての問合せは同会事務局(℡042・427・1759)、またはメールでthepauls@jcom.home.ne.jp(森田)まで。

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