雑誌「pen」が特集 〝キリスト教とは何か。〟 2010年2月27日

 株式会社阪急コミュニケーションズが発行する雑誌「ペン」(月2回刊)が、2月15日に発売された3月1日号(通巻262号)で「キリスト教とは何か。」をテーマに特集を組んだ。72ページに上る特集のうち、26ページを西洋美術に割いている。レオナルド・ダ・ヴィンチの全作品を解説した昨年の4月15日号(通巻242号)に続き、「知っておきたい西洋文化」としてのキリスト教を、さまざまな角度から解説している。企画の意図と編集上の苦労などについて、同誌編集長の安藤貴之さんと、特集を担当した新山佳子さんに話を聞いた。

「初心者にもわかる言葉で」
 「ヨーロッパ社会の歴史と芸術を深く理解するためには、聖書の理解が不可欠」「キリスト教のことを知っていたら、もっと楽しめるのに……」
 リードに記されたとおり、今回の特集は、仕事や観光で海外を訪れ、美術館や教会に足を運ぶような西洋文化になじみのある読者を想定して企画された。
 内容は、「Q&Aで学ぶ、キリスト教の基礎知識」から「教会デザインの歴史」「修道士の1日」「シンボルの意味」「意外と知らない、トリビアあれこれ」まで、多岐にわたる。教派の違いや新旧約聖書の系図なども、多くの図版を織り交ぜながら丁寧に解説されている。
 今回のモットーは、あくまで「徹底的にやさしく」。新山さんは、「専門的な用語を難しくせずに説明するのが難しかった。普通の読者が読んで引っかからないように心掛けました」とふり返る。企画の立ち上げから2カ月間。作業中は、常に聖書を手元に置いて読み込んだという。
 編集長の安藤さんは、刷り上がったばかりの雑誌を手に「会心の出来」と自信を見せた。「西洋美術のページは、聖書の話だけでなく、作者の個性や背景も織り交ぜて解説されているので、初心者でもわかるようになっています」

 監修は、ダ・ヴィンチの特集にも携わった池上英洋氏(恵泉女学園大学人文学部文化学科准教授)。小原克博氏(同志社大学神学部神学研究科教授)らの協力も要請し、助言を仰いだ。編集者は皆キリスト教徒ではないが、逆に素人だからこそ大胆にできた側面もあるという。
 同誌で70ページを超える特集は異例のこと。「これでも必要最低限の知識で、削らざるを得なかった部分もたくさんあり、足りないぐらいです。特に絵画は作品が膨大にあるので、絞り込むのが大変でした」と新山さん。
 特集の続編については、今号の反響次第だが、今のところ書店の反応も良く、確かな手応えがあるという。
 安藤さんは、「知っているようで理解していなかった部分もあり、作りながら自分たちのためにもなりました」と話す。キリスト教に限らず、宗教や哲学に対する関心は高まっていると見る。
 「やはり聖書というベストセラーの存在は大きいと思います。それが読んでみると意外に面白いというのは新しい発見でした。有名な話は部分的に知っていますが、それらを系統立てて理解できていなかった。宗教画と聖書の関連を理解している人も、意外に少ないと思います」
 教会外の非信徒だけでなく、キリスト者にとっても必携の「完全保存版」になるかもしれない。(本紙・松谷信司)

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