『教会アーカイブス入門』でワークショップ 資料保存の重要性指摘 2011年1月22日 

 教会アーカイブズ研究会(東京基督教大学内)主催の「『教会アーカイブズ入門』出版記念ワークショップ」が12月13日、東京・上北沢の賀川豊彦記念松沢資料館で開催され、教会関係者ら35人が参加した。このワークショップは、昨年6月に出版された『教会アーカイブズ入門』(いのちのことば社)を記念して行われたもの。

 同書は、キリスト教界の記録が残されていないことに危機感を抱いた学芸員、司書、歴史研究者ら5人が、その解決、啓蒙を願う共通の志から生まれた。

 当日は、同書の執筆者が教会史制作と資料保存の必要性、具体的方法についてそれぞれ提言した。基調講演した山口陽一氏(東京基督神学校校長)は、日本キリスト教史、各個教会記念誌発行の側面から、鈴江英一氏(元国文学研究資料館史料館長)は記録管理とアーカイブズの観点から、教会資料の保存管理の重要性について語った。

 その後、応答した戒能信生氏(東駒形教会牧師、元日本基督教団宣教研究所所長)は、「同書の発行は類書がなく、先見的な試みとして評価できる。しかし1人のスーパー・アーキビストではなく、100人のアーカイブズ好きな信徒を生み出すような裾野の広い活動を願う」と述べた。

 また、新井浩文氏(現埼玉県立文書館主任学芸員)は、地域資料としての教会アーカイブズについて、自身の教会記念誌作成の体験をふまえ、収集、保存環境の具体的方法や劣化対策について語り、杉浦秀典氏(現賀川豊彦記念松沢資料館学芸員)は、同館資料を用いた実際の整理について、中性紙保存箱を用いてワークショップ形式で提示した。

 会場には牧師、研究者、一般信徒、学生、他宗教者なども幅広く参加し、続く懇親会で問題意識を分かち合った。

 司会を担当した阿部伊作氏(東京基督教大学図書館司書)は、「宣教200年を視野に、キリスト教界の資料保存がようやく実質的な動きを始めました。この活動が各教会で根ざし、資料を通してより社会に開かれた教会の信仰遺産が、確かな形で保存継承、活性されること、多くの教会アーカイブズが誕生することを願っています」と感想を語った。

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