酪農学園が「東京オフィス」開所 食文化・農文化考える拠点に 2011年2月5日

 高校、短大、大学を擁する酪農学園(北海道江別市)が、東京での機能強化を図るため東京交通会館内(東京・千代田区)に「酪農学園東京オフィス」を開所、1月22日、同オフィスの開所式が行われ、学園関係者、OBらが祝った。

 麻田信二理事長=写真=は近年の世界的な食糧事情を述べ、あいさつ。酪農からスタートした同学園はキリスト教主義であることに触れ、同学園の「酪農讃歌」を作詞した賀川豊彦を紹介。「(賀川の著作である)『一粒の麦』には、土を愛す、隣を愛す、神を愛すということを早急に行わなければ、この国は滅びてしまう、という主人公の言葉が表現されていた。少子化で私学経営は大変だが、高い志を持って取りくんでいきたい」

 政府が交渉参加を検討しているTPP(環太平洋連携協定)により、国内農業への打撃が懸念されている。酪農学園大、同短大部は12月、「TPP交渉への参加に対する反対表明」を発表している(本紙1月29日付にて既報)。

 大学・短大学長の谷山弘行氏は、「日本人が農業や食をどう考えるか問われている時期。以前から問題としてはあったが、(「TPP」という形で)一石が投じられ、これからの食文化、農文化をどうするのか、一部の人が考えるだけでは不十分で、仲間を増やさなくてはならない。それは学園創立者の黒澤酉蔵や賀川豊彦の考え方とつながると思う。地方の学校が独自に活動すればいいということではなく、大都市にいる人たちにも考えてもらいたいし、一緒にやりませんか、と。このオフィスをそのような拠点にしたい」と本紙に語った。

 東京オフィスは、これまで西新橋にあった事務所を拡張移転させる形として開所した。従来の約2倍半の面積で、セミナールームやミーティングルームを備え、学生・生徒の募集活動、在学生の就職活動、エクステンションセンターによる生涯学習などの諸活動を活発に行う場として利用していく。

【メモ】
 酪農学園=1933年、黒澤酉蔵(創立者)を中心に設立された北海道酪農義塾をもって始まる。以後、酪農学園短期大学、酪農学園大学、とわの森三愛高校設置。特色は「神、人、土を愛する三愛精神」を基調とした人格の完成を目指し、実学一如の有能な農業人、人材養成を目的としている。

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