陳枢機卿が中国問題でバチカン高官を非難 〝譲れない一線は必要〟 2011年4月23日

 香港カトリック教会の引退大司教ジョセフ・陳日君枢機卿が、中国政府との妥協策を模索している教会当局を手厳しく批判した。中国本土の司教には、対立回避ではなく、北京政府からの圧力に抵抗するよう勧めるべきだ、と言う。

 教会を自己の管理下に置こうとする中国当局の動きに反対するカトリックの指導的な声の役割を果たしてきた陳氏。バチカン(ローマ教皇庁)の指示が混乱していることは、ローマに忠誠を尽くすという司教の多くが、教皇の承認なしに中国政府が任命した司教の昨年11月叙階式典に参加したこと、教皇が分派的として非難している天主教(カトリック)愛国会の新指導者選出に参加したことにも表われている、と言う。

 「わたしたちの司教には勇気を供給する必要がある。しかし司教たちは見当違いの同情を受けている。それが奴隷的な屈従というぬかるみにより深くはまり込ませている」と陳氏。

 陳氏の挑発的とも言える発言は、バチカンに中国問題で影響力を持つベルギー・ルーバンのカトリック大学教授のジェローム・ヘインドリックス神父を直接批判したもの。しかし陳氏の議論が、他のバチカン、特に福音宣教省と国務省高官を批判していることは明らかだ。

 陳氏は、賢明なバチカンの「融和」政策が、中国に真正の宗教的自由をもたらすだろうという期待を否定し、ソ連との融和を目指した同様な政策が教皇ヨハネ・パウロ2世に拒否された、と主張している。

 そのヨハネ・パウロ2世が、北京からの強い圧力にもかかわらず、中国人殉教者の列聖延期を却下した、とも指摘する。

 「対話や妥協は必要ではあるが、譲れない一線というものがなければならない。わたしたちの信仰と基本的な教会の規律を、北京政府を喜ばすために放棄はできない」と言う。(CJC)

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