日本クリスチャンアカデミー関東が現地報告会 2011年5月21日

最弱の地に最大の試練が・・・——太田春夫氏
非現実と現実を結ぶ支援を  ——小泉嗣氏

 東日本大震災の発生から約2カ月となる5月7日、「3・11東日本大震災 現地教会報告会」が日本キリスト教会館(東京都新宿区)で開催された。日基教団東京教区北支区と日本クリスチャン・アカデミー関東活動センターが共催したもので、太田春夫氏(日基教団千代田教会牧師)=写真、宮本旻祐氏(日基教団隠退教師)らが被災地の状況を報告。約100人の参加者が熱心に耳を傾けた。

 メイン報告者として登壇した太田氏は、2007年に同教会に赴任するまで、岩手県沿岸地域を中心におよそ26年間奥羽地方で牧師を務めた。震災発生後から2度にわたり岩手県沿岸部を訪ね、被災した現地の教会の支援と橋渡しを続けている。

 教会や幼稚園、信徒宅を訪ねた様子を写真とともに紹介し、「たくさんの方が混乱し、不安を抱え、おびえたり、また不眠などを現実に抱えている。もう一度巨大な地震がこの日本に今起きたら、おそらくわれわれの心のほとんどが折れてしまうと思う」と印象を述べた。

 3月13日の礼拝では、具体的に被災者一人ひとりのことを覚えて祈ったという太田氏。「日基教団奥羽教区そのものがキリスト教宣教・伝道の場所としては厳しい環境にある」と述べ、被災した教会が独立採算の小規模の教会であることを強調。「最弱の地に最大の試練が来た」と表現し、現地の信徒の献金だけでは教会存続が厳しい状態にあることを訴えた。

     ◆

 続けて報告した宮本氏は、日基教団鳴子教会牧師を務め、石巻栄光教会代務者を経て隠退。宮城県東松島市の自宅で地震・津波に遭遇した。自宅が浸水し特養ホームに避難、現在は東京都世田谷区の被災者住宅で暮らしている。同教団東北教区被災者支援センター(仙台市)の働きにより、情報や物資を得られたことを報告。今後の課題として、ヘドロ処理の問題を挙げ、教育・医療設備の設置が急務であると指摘した。

〝息の長い後方支援必要〟

 日基教団西東京教区東日本大震災支援委員会委員長の真壁巌氏(同教団相愛教会牧師)が、ボランティア派遣について報告。同委員会は4月8日から5月20日までボランティアを募集。5回に分けて派遣し、東北教区被災者支援センターの指示で活動している。モットーは「黙々と効率を求めて働かない」ことだとし、被災者との語らいを大切にしていることを紹介した。

 日本福音ルーテル千葉教会牧師の小泉嗣氏は、日本福音ルーテル教会・日本ルーテル教団・近畿福音ルーテル教会・西日本福音ルーテル教会が合同で対策室を作り、物資の運搬やボランティア派遣、ボランティア支援センターの設置などを行っていることを紹介。「東京や千葉に住んでいると、仙台・宮城・岩手は非現実。しかし現地に行くと、そこは現実の世界としてわたしたちの思う非現実が広がっている。その非現実と現実をどのように結んでいくかがわたしたちの支援の大切なポイント」と語った。

 早稲田奉仕園スタッフの片岡平和氏は、同園と早稲田大学YMCA、日本バプテスト同盟が連携してボランティアを派遣したことを報告した。

     ◆

 真壁氏の「被災地の牧師を休ませるために説教の交代をした場合、被災していない牧師は何を語れるか」との質問に対し、太田氏は、「日本人の多くが被災したのではないか。どこか皆壊れたと思う。これからものすごい不安を抱えてともに生きる」と述べ、北支区の中で考えられる具体的な方法として、岩手や仙台の内陸の牧師を沿岸部に派遣することを提案。

 「同じ地区内にいる教師は信徒の顔を分かっている。そういう親しさ・安心感は生まれると思う。そのような形で後方支援が息長くできればよいのではないか」と答えた。

特集一覧ページへ

特集の最新記事一覧

TO TOP