前教皇ヨハネ・パウロ2世「福者」に 2011年5月21日

 前教皇・神のしもべヨハネ・パウロ2世(在位1978年10月~2005年4月)を、カトリック教会で最高位の崇敬対象「聖人」の前段階である「福者」とする列福ミサが5月1日午前、イタリアとポーランドの大統領はじめ約90カ国の政府代表が列席し、バチカン(ローマ教皇庁)で行われた。教皇ベネディクト16世がサンピエトロ広場でミサを司式、この中でヨハネ・パウロ2世を「福者」と宣言した。

 列福ミサはラテン語で行われた。前半部分の列福の儀式では、ローマ教区司教代理アゴスティーノ・ヴァッリーニ枢機卿がヨハネ・パウロ2世を福者の列に加える旨を願い出る式文を述べ、続いて前教皇の人となりを紹介した。

 教皇がヨハネ・パウロ2世の列福を宣言し、その記念日を教会の典礼暦で10月22日とすると発表。大聖堂正面に掲げられた新福者の肖像が除幕されると、100万人を超える会衆からの拍手が長く続いた。

 バチカン放送(日本語電子版)によると教皇はミサの説教で、6年前、この聖ペトロ広場でとり行われたヨハネ・パウロ2世の葬儀を回想、その時、深い悲しみはもとより、それを上回るさらに大きな感謝の念が世界を包んだことを想起した。

 「ヨハネ・パウロ2世は、その信仰の証し、愛、使徒的な勇気、また豊かな人間性をもって、キリスト者であること、教会に属すること、福音を語ることを恐れないようにと、世界中の信者たちを助けた」と教皇は述べ、「真理を恐れるな。真理は自由を保証する」ということを教えながら、キリストを信じるための力を再び信者たちに与えたヨハネ・パウロ2世の教会への偉大な貢献を賞賛した。

 教皇は、ヨハネ・パウロ2世が「恐れてはいけません。キリストに扉を開いてください」という、すべての信者たちに投げかけた言葉を自ら最初に実行し、社会・文化・政治・経済をキリストに向かって開きながら、神から汲み取った超人的な力をもって、くつがえすことはできないと思われた世の潮流に立ち向かっていった、と振り返った。

 前教皇は在位期間が約四半世紀と長く、東西冷戦終結前後に平和と宗教間対話を強く訴えたことで知られる。訪問先も104カ所に及ぶ。81年には広島を訪れ、「戦争は人間の仕業だ」とする「平和アピール」を発表している。またイラク戦争に反対するなど積極的にバチカン外交を展開した。(CJC)

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