市民の手で新しい「公共福祉」を 東京基督教大学、公共福祉研究センター創設でシンポ 2011年5月21日

 東京基督教大学(倉沢正則学長)は5月7日、公共福祉研究センターの創設を記念するシンポジウム「公共福祉への転換――市民がつくる福祉社会へのメッセージ」を、キャンパスイノベーションセンター(東京都港区)で開催した(千葉大学大学院人文社会科学研究科地球環境福祉研究センター共催)。

 同センターは今年4月、同大共立基督教研究所内に設置されたもの。創設趣意書によると、福祉分野における人員・財源不足の背景には、長く続いた公依存の体質と、市民自らが協働し、助け合う自治の仕組みを作る意識の希薄さがあったとし、「友愛と連帯」の福祉社会の形成には、市民的公共性の確立、モラルとスピリチュアリティ(霊性)の醸成が不可欠だとしている。

 センターの主な目的は、「福祉社会創造のための研究と政策提言」「日本およびアジアに公共領域を育てる研究」「『公共福祉学(総合的ケア学)』の創設」「21 世紀の市民社会を担う人材(NPO、福祉、民間企業、研究者ほか)の育成」の4点。

 シンポジウムでは、厚生労働副大臣の小宮山洋子氏=写真=が「『新しい公共』といのちを育む社会」と題して講演したほか、福祉に携わる専門家らを交えてパネルディスカッションが行われた。パネラーとして発言したのは、遠藤興一(明治学院大学教授)、枝見太朗(富士福祉事業団理事長)、河幹夫(神奈川県立保健福祉大学教授)、馬袋秀男(全国介護事業者協議会理事長)、東畠弘子(福祉ジャーナリスト)の各氏。

 公・私の中間にある「公共」概念の必要性を唱えてきた同センター長の稲垣久和氏(東京基督教大学教授)も、「基礎構造改革と公共福祉」と題して講演し、「『慈善や博愛の事業』としての福祉が、価値中立的意味での公的な仕事で賄えるのか」と提起した。

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