〝犠牲の上に成り立つ平和に「否」〟 基地のない沖縄をめざす宗教者の集い 東京で結成 2011年7月2日 

 沖縄の普天間基地の撤去と辺野古新基地建設の中止を求めることを主な目的に、「基地のない沖縄をめざす宗教者の集い」(世話人会事務局=カトリック東京教区正義と平和委員会)が結成された。

 宮城泰年(聖護院門跡門主)、輿石勇(日本キリスト教協議会議長)、谷大二(日本カトリック正義と平和協議会会長)の3氏が共同代表を務め、呼びかけ人としてキリスト教と仏教を中心とする宗教者46人(6月16日現在)が名を連ねている。

無関心・差別心を反省

 6月17日に衆議院第1議員会館(東京都千代田区)で開かれた結成集会には、宗教者ら約200人が参加。共同代表がそれぞれあいさつした。

 谷氏は、日本にある米軍基地の約75%が沖縄に集中している現状について、「本土に住むわたしたちの心の中に、沖縄に対する無関心、差別があることを指し示していると思う」と指摘。「宗教者は、いのちを大切にし、平和を守るという点で、同じ教え、同じ志を持っている」とした上で、「わたしたちが沖縄に対する無関心、差別主義を持っていたのではないか」と述べ、「そのことを真摯に反省することから、普天間基地の移設問題に取り組むことになった」と、結成理由を明らかにした。

 輿石氏の代理としてあいさつした城倉啓氏(日本キリスト教協議会副議長)は、「誰かを犠牲にして成り立つような平和は、『平和』という言葉に値するのか。答えは『否』だ」と述べ、そのようにして成り立つ平和の〝最後〟として「イエス・キリストがいる」と主張。「沖縄の問題は差別の問題であり、安保体制の問題。これら二つはどちらも憲法違反」とし、非暴力の運動によって平和憲法の価値を広げていくことを訴えた。

 また、沖縄で活動する宗教者を代表して、押川壽夫(カトリック那覇教区司教)、岡田弘隆(真言宗豊山派長谷寺住職)、宮城涼子(聖マリアの汚れなき御心のフランシスコ姉妹会会員)の3氏が発言

 押川氏は、普天間の教会で、戦闘機やヘリコプターの爆音によりミサが中断される状況を訴え、「ここに集まっている皆さんは宗教家です。平和を愛し、平和を築く努力・行動をしている皆さんです。これが本当の平和国家日本を作る力です。沖縄に来て拳を振り上げることは必要ない。ここで日本の国民に訴えてください」と呼びかけた。

 「今一番危惧するのは、子どもの教育の問題」と述べた宮城氏は、基地の爆音が当たり前になり、飛行訓練に反応を示さなくなる子どもたちの様子について述べ、「これから日本の国を背負っていく若者の教育に大きな被害を与えている」と警告。「そのために、今立ち上がらなければいけない。わたしたちは大きな責任を課せられている。この宗教者の集いは、それが大きな一つの見える形で団結できる集いだと思う」と語った。

 集会の最後には、結成アピール文が発表された。同会では、今後も賛同者を募集し、集会や学習会の開催を予定している。

     ◆

【結成アピール文】
 私たち仏教、キリスト教を中心とする宗教者は普天間基地の撤去と辺野古新基地建設の中止を求める「基地のない沖縄をめざす宗教者の集い」を本日ここに結成いたしました。
 東日本大震災から3カ月、復興への道を歩み始めたばかりですが、普天間基地移転問題を始め、沖縄の米軍基地問題を後回しにすることはできません。沖縄県民は普天間基地県外、国外移設を今も訴え続けています。
 明治政府は1879年、いわゆる「琉球処分」によって琉球を沖縄県とし、植民地化しました。1945年、敗戦によって沖縄は米国の植民地となりました。1972年、本土復帰によって沖縄は再び日本の領土となりましたが、アメリカによる軍事植民地ともいわれる状況がいまだに続いています。現在、日本の米軍基地専用施設面積のおよそ75%、米軍人数ではおよそ65%が沖縄に集中しています。沖縄県民は今もなお、命や生活を脅かされています。私たちは、大きな負担を沖縄県に押し付け続けているのです。
 私たちは宗教者として、「命を大切にし、平和を守る」という点で同じ志を持っています。その志に反する沖縄に対する無関心、差別心がその根底にあることを率直に認め、この沖縄の米軍の基地問題に取り組んでいきます。
1.私たちは沖縄県民の声、叫びを、より多くの人々に、そして政府に伝えていきます。
2.私たち宗教者を始め、多くの人々と共に沖縄が置かれている状況を学び、共感の輪を広げていきます。
3.当面の目標を「普天間基地の撤去と辺野古新基地建設の中止」とします。
4.沖縄に押し付けている大きな負担を取り除くことができるように祈り、活動します。

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