中国カトリック教会×バチカン 教皇承認なしの叙階で混沌 2011年7月9日

 中国四川省峨眉山市のロザリオの聖母教会で6月29日、天主教(カトリック)楽山教区のパウロ・レイ・シイン神父が司教に叙階された。政府高官含め約1000人が参列した。同神父の司教叙階にバチカン(ローマ教皇庁)は同意していない。中国天主教(カトリック)愛国会会長のヨハン・シンギャオ司教(臨沂=リンイ)が主司会者となった。

 叙階に参加したのは、寧夏のヨセフ・リ・ジン司教、北京のヨセフ・リ・シャン司教、リャオチェンのヨセフ・ザオ・フェンチャン司教、萬州のパウロ・ヘ・ゼジャンフャン司教、豊州のパウロ・シャオ・ゼジャン司教、唐山のペテロ・ファン・ジャンピン司教。全司教が新司教の頭に手を置いて按手した。

 全員がバチカンの承認を受けており、シャオ司教、リ・ジン司教以外は、これまでにも、バチカンの承認を得ていない司教の叙階式典に参列している。

 レイ神父は中国天主教(カトリック)愛国会の副議長で、最高権力機構「人民政治協商会議」のカトリック代表。2010年、教区司祭16人、修道女4人、神学生1人、信徒10人の投票で27人の支持を受け選出された。

 ENIニュースによると、中国の公認カトリック教会は23日、教皇ベネディクト16世の承認を得ずに司教40人以上の叙階を行う、と発表した。国営新華社通信が報じた。

 このところ、バチカンと北京政府は、暗黙のうちに司教選任に合意していた。しかし昨年11月、ヨセフ・グォ・ジンツァイ神父が教皇の承認なしに成都司教に叙階された際、バチカンは「悲しむべき話」としている。

 6月初め、漢口司教の叙階が予定されていたが、これは直前になって取り消された。その際、バチカンの声明は、「緩和された状況」を理由に破門しない、と発表した。

 北京で先ごろ行われた会議で、国家宗教局の最高幹部が教会指導者に、中国は今後も独自に司教叙階を断固行う、と語ったと伝えられる。楽山教区でマタイ・ルオ・ドゥシ司教が09年に死去して以来、四川省では省内5教区の中でイビンのヨハネ・チェン・シゾン司教(94)以外、空席になっている。

 今回の楽山司教叙階は、聖座(バチカン)が承認していない司教の叙階に教会法上の制裁を科すとの宣言を初めて適用することになる可能性がある。

 中国本土の司祭の1人は、違法な叙階式典に参加して破門された司教によるミサを、司祭は共に執行してはならず、信徒は出席してはならない、と聖座が宣言すべきではとして、「多くの司教、司祭は中国政府と聖座の双方の歓心を買おうとしている。罰則が重いことを知れば考え直すと思う」と言う。(CJC)

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