〝いのちの使い方問われている〟 「路上生活者支援連絡会」が講演会 2011年7月9日

 「路上生活者支援連絡会」は6月25日、「東日本大震災被災者・路上生活者支援講演会」を目白聖公会会館ホール(東京都新宿区)で開催した。日基教団千代田教会牧師の太田春夫氏、NPO法人「TENOHASHI(てのはし)」で路上生活者への支援を行っている精神科医の森川すいめい氏が講演した。

 太田氏は、2007年に千代田教会に赴任するまで、岩手県沿岸地域を中心に26年間奥羽地方で牧会に携わった。震災直後から岩手県沿岸部に出向き、被災した教会への支援を続けている。

 震災発生からほとんど電話の前にいて、友人や多くの人の安否状況を思い、祈った。8日目に連絡がとれた漁師の友人には、「何もいらないから希望を持ってこい」と言われたと明かした。

 大槌町には、仕事を失って町の外に流出する若者が大勢いると報告し、「今起こっていることは二次災害ともいえる雇用の問題。ぎりぎりの状況」「いのちの使いかたを『使命』という。今、わたしたちは、いのちの使い方をどうするかが問われていると思う。それは、お金の使い方にもかかわってくる。ぜひ、岩手方面にも観光してほしい」と述べた。

 池袋で路上生活者の支援を行ってきた森川氏は、「実存のいたみ」と題して発言。震災直後から被災地入りし、精神科医として「心のケア」支援を行っている。森川氏が活動の拠点とする岩手県大槌町は自殺者が多い。また、岩手県は精神科に対する偏見の強い土地だという。

 「家族すべてを失った」「供養しかできない」「なぜ自分だけが生き残ったのか」「3カ月経った。みんな苦しい……」といった思いを抱える人にどう対処していけるのかを話し、アルコール依存と自殺者の関係性にも触れた。

 「一番大事なものは安心。希望はどこかにあるものではなく、その人の内にある。自分の中にあるということに気がついて初めて立ち向かっていける」

 「路上生活者支援連絡会」は、09年11月、年末年始における生活困窮者への支援について、内閣府参与の湯浅誠氏(反貧困ネットワーク事務局長)から都内の宗教団体に依頼された際に発足した「越年対策連絡会」が前身。炊き出しや夜回りなどの支援を行うなかで、通年の支援体制の必要性を確認し、現在の名称に改称。講演会や炊き出し支援ボランティアについての説明会や、米の緊急カンパ呼びかけなどの活動を展開している。

 同連絡会には、庭野平和財団、新日本宗教団体連合会(新宗連)、日本キリスト教協議会(NCC)、仏教NGOネットワーク、立正佼成会、世界宗教者平和会議(WCRP)などが参画している。

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