改宗問題で共通指針 バチカン・WCC・WEA 2011年7月16日

 【CJC=東京】「改宗」に関する包括的な行動指針「多宗教世界におけるキリスト者の証し」が6月28日、ジュネーブのエキュメニカル・センターで発表された。さまざまな宗教信仰の間の緊張を緩和するため、バチカン(ローマ教皇庁)諸宗教対話評議会、世界教会協議会(WCC)、世界福音同盟(WEA)が、準備会議を2006年5月にイタリアのラリアーノで開催、以後07年8月には仏トゥルーズ、11年1月にタイのバンコクで開催してまとめたもの。
 3組織には正教会、カトリック教会、英国国教会、プロテスタント、福音派、ペンテコステ派、単立教会が加盟しており、世界のキリスト者の9割近く、20億人に呼び掛けるものとなった。
 指針には、特に異なる宗教間で、あらゆる暴力を否定し、宗教や信仰の自由を強く擁護すること、それには自らの宗教を公に告白し、実践し、また変更する権利を含んでいる。
 「改宗」に関する一つの主要原則は、人が自らの信仰を変更することは「個人の自由な足取りの中で熟考と準備のための十分な時間を必要とする決定的な段階」とキリスト者が認めようとすること、とされている。
 諸宗教対話評議会議長のジャン=ルイ・トーラン枢機卿は、「今日は、わたしたちそれぞれが分かち合っているキリスト者の証しの中で歴史的な時となった。『指針』は、5年間にわたる包括的な協議の結果だ」と語った。
 世界教会協議会のオラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事は、改宗に関する主要なメッセージは何かとの質問に、「わたしたちに課されたのは、キリスト教信仰の証し人となることであり、それを押し付けたり、わたしたちがそれを提示したりすることで誰かを怒らせることではない。……わたしたちは、キリストのメッセージを、すべての人間が互いに尊敬するというキリスト者の姿勢によって示す必要がある」と答えた。
 世界福音同盟のジョフ・タニクリフ総幹事は、指針がキリスト教一致、人権、宣教・伝道に関する前向きな展望、宗教的自由の4分野に触れている、と語った。さらに指針はすべてのキリスト者に、「それぞれの生命とイエスの教えの光の中で自身の実践を再検討し、福音へのわたしたちの忠実さが、どこにあっても全ての人の正義と自由のために語り、働くことを課する」と言う。
 タニクリフ氏はまた、今回の提案が政治の領域でも主要な業績であるとし、それは諸政府に「キリスト者が共に働くことができるだけでなく、抑圧と迫害に耐えている人たちのために、共にあることによって一層強力な声となる」ことを示した、と語った。

バチカン・WCC・WEAが「改宗」問題で共通指針

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