“神と会衆とを取り持つ” ワークショップ「情熱としての説教」 2011年8月6日

 『説教をめぐる知恵の言葉』(キリスト新聞社)上下巻の出版を記念するワークショップ(キリスト新聞社主催)が7月19日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で行われ、牧師や信徒、神学生ら約50人が参加した。
 初めに米聖公会司祭のバーバラ・ブラウン・テイラーによる説教「神の恵みを映し出す夜空」について、実際の映像を交えながら平野克己氏(日基教団代田教会牧師)が解説。日本の説教がいまだに個人主義的、啓蒙主義的、敬虔主義的な定型の形式と言語による「19世紀型」説教に留まっていると提起し、「通俗的な信仰理解を聖書テキストによって克服させ、神の恵みと憐れみのもとに聴き手を解き放つ」テイラーの説教と対比させた。
 続いて、全国説教塾の事務局長を務める吉村和雄氏(キリスト品川教会牧師)が、「情熱としての説教」と題して説教と情熱との関係について講演した。同氏は『説教をめぐる知恵の言葉』の内容と意義を紹介しながら、「説教に情熱などいらない」とする不要論に具体例を挙げて反証した。
 また、「一字一句間違いなく翻訳すると伝わらず、端折ったり付け加えたりした方が伝わる」という韓国での説教体験をふまえて、テイラーの著述から「神と会衆という2人の主人公の間に立って関係を取り持つのが説教者の役割」との認識を紹介し、「説教者自身が心動かされることがなければ、会衆の心を動かせるはずがない」と指摘した。
 「たとえ定型のスリーポインツ形式であっても、会衆を満足させる説教はあり得るのでは」という参加者からの問いに平野氏は、どんなテキストでも同じメッセージになることの危険性を説き、「素材に合った料理法があるように、説教を語る上でも多様な選択肢があって然るべき」と応答した。

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