京都地裁 聖公会京都教区司祭が証言 “代理人逮捕は行き過ぎ” 2011年8月13日

 日本聖公会の元牧師が複数の女児に対し継続的に性的虐待を行った事件と、その後の京都教区(高地敬主教)の対応をめぐり、2009年11月16日、聖アグネス教会(京都市上京区)で開かれた教区審判廷で、被害者の父親に近づいた同教区司祭の古賀久幸氏を、カバンで制止した被害者側代理人の鎌田雄輝氏(南三原聖ルカ教会牧師)が起訴された刑事事件の公判が、7月26日、京都地裁で行われた。鎌田氏は複数回にわたる任意の事情聴取に応じず、2010年9月7日に逮捕、起訴され、約3カ月にわたり京都拘置所で拘留されていた。
 これまで、被害届けを出した古賀氏や、同氏を診察した医師らに対し検察側の証人尋問が行われてきたが、今回の公判では弁護側の証人尋問として、同教区司祭の井田泉氏(聖三一教会牧師)が出廷した。審判廷を傍聴していた井田氏は、事件当日の状況を証言した。
 医師の証言によると、古賀氏は「重いカバンで頭部を思いっきり殴られた」と話していたが、井田氏は「殴打したというより、軽くぶつけた、小突いたという感じ。怪我をするような当たり方ではなかった」と答え、鎌田氏が逮捕された件についても「被害者とご家族をさらに苦しめる結果となり、申し訳ないと思っている。刑事事件となるような深刻な事件ではない」と述べた。
 井田氏の証言によると、古賀氏はその後、「皆さん、見ましたね」と聖堂に居合わせた関係者に訴え、高地氏が「鎌田、警察へ行こう」と言ったという。

 一方、鎌田氏が属する横浜教区の三鍋裕主教は昨年から同氏に対し休職勧告を出していたが、7月27日付で正式に辞令を発表し、31日付の休職を通告した。聖公会の規定では審判による懲戒を行うことが決められており、本人から休職の希望が出た場合、常置委員会の同意によって、主教が休職を「許可」することになっている。
 鎌田氏はこの辞令に対し、「虐待隠蔽事件の戦いの途上ですので、やめるべき時ではありません。……教会も主教らの私物ではありません。キリストの教会を好き放題にしてよいはずはなく、按手された司祭を好きにしてよいこともありません」「審判廷によって主教の不当な対応を申立てても良いのですが、結果が一切期待できないでしょうから、世俗の裁判にします」と関係者にコメントしている。

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