「民衆の革命」が意味するもの 日本・中東アフリカ文化経済交流会 2011年8月20日

東京で講演会
 「日本・中東アフリカ文化経済交流会」(久山宗彦会長)は7月22日、ムハンマド・エッザト・ムスタファ氏(私立エジプト観光学院講師)を招き、エジプトの民主化についての講演会を真生会館(東京都新宿区)で行った。昨年チュニジアから始まった中東・北アフリカ地域の革命と混乱は、今も止むことがない。今後エジプト国内でどのように民主化が行われていくのか、およそ60人の参加者が耳を傾けた。
 エジプトの歴史は、7千年をゆうに超える。ムスタファ氏は、外国人に長らく占領されていた同国の歴史を概観し、クーデターでエジプト人大統領が選出された1952年を基点に解説。以後2011年まで、「最も腐敗している時代が続いた」と述べる。
 前ムバラク大統領を退陣に追い込んだ反政府運動では、840人が死亡、負傷者は6千人を超える。この「革命」を、「1952年と比べても意味合いがまったく違う。52年のときも『革命』と呼ばれているが、それはあくまでも『クーデター』」とし、今回は紛れもない「民衆の革命」であると強調した。
 昨年末、チュニジアでデモやストライキ、暴動などが勃発したとき、「エジプトでも起こるとは誰も予想していなかった。フェイスブックでやろうといっても、皆、逮捕されるだろうくらいにしか考えていなかった」と振り返る。
 エジプトでは9月に予定されている大統領選までは軍事政権が続く。ムスタファ氏は、今後決めなければならないことの一つに「(公務員の)賃金の最低金額と最高金額」と主張する。賄賂が日常的に発生している状態で、公務員には、「5千円の給与の人も、2千万の給与の人もいた」と明かす。
 長い歴史の中で、「民主化の革命」が起きたのは初めてであることを何度も強調したムスタファ氏。「安定までには時間がかかるが、このチャンスをどうにかしたい。いきなり民主化に向かうのは難しいが、市民はNOと声をあげることを覚えた。それは今後も続くだろう」と力を込めた。
 参加者からは「ダビデのようなエジプトの青年が、ゴリアテと言ってもいいムバラクを石ならぬフェイスブックで倒したことは嬉しかった」という声や、イスラム同胞団が政権に加わった場合を危惧する意見もあがった。

※日本・中東アフリカ文化経済交流会=キリスト教、資本主義社会対イスラム、第三世界の対立を克服するための新しい視点を重視し、久山氏やその他関係者が中心となって2001年に設立。アラビア語の普及や、講演会、異業種交流、日本・中東アフリカ交流基金による中東アフリカ地域からの留学生に対する支援を行う。

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