「平和作りは神の民の本質」 日本同盟基督教団 2011年9月3日

平和祈祷会で藤原淳賀氏が講演
 日本同盟基督教団「教会と国家」委員会(朝岡勝委員長)は、藤原淳賀氏(聖学院大学総合研究所教授、日本バプテスト連盟恵約宣教伝道所牧師)を講師に迎え、「大震災の中で平和を作り出す教会として――66年目の夏に」と題する平和祈祷会を8月13日、同教団中野教会(東京都中野区)で開催した。約60人が出席し、共に「平和のための祈り」をささげた。

〝聖書的現実主義〟を訴え
 藤原氏は、東日本大震災に直面した現在の日本において、「今この時、神は何をしておられるのかを見極める神学が必要になってくる」とし、それができるのは教会であると主張。「いかにして教会は、神の民として平和を作り出していくことができるのか」と提起し、「平和を作り出すことは、神の民にとって本質的なことだ」と強調した。
 その上で、「明治から日本に入ってきたキリスト教、日本人が受け取ったキリスト教の多くが一つ避けてきたものがあると見ている。それは『苦難』ということ」と述べ、プロテスタント教会が殉教者をほとんど出してこなかったことに言及。「教会は『神の贖いの苦難の業』に参与していかねばならない」と述べ、平和作りについても、被災地復興支援についても、その中に位置付ける必要があると主張した。
 さらに、「日本の教会は、『平和主義』を真剣に捉えるならば、平和を重んじた平和主義の神学者の神学を学ばなければならない」とし、米国のメノナイトの神学者であるジョン・H・ヨーダーを紹介。また、終末論について、神の国の先取りがすでに始まっていると理解する「聖書的現実主義」と、神の国はいまだ完成しておらず、最低限の武力や戦争が必要であると考える「キリスト教現実主義」の2種類があることを説明した。
 ヨーダーの立場でもある「聖書的現実主義」は、「右の頬を打たれたら左の頬を出せ」という教えを重んじるもので、教会でしか実現することができないものだと強調。「善を持って悪に打ち勝つ」ことはキリスト者以外には不可能であるとし、「キリスト教現実主義」を超えて、戦争を起こさせないような平和作り、犠牲を払う覚悟を持つ平和作りが必要であると訴えた。
 「われわれは反戦・平和作り、被災地復興を単体でそれだけをピックアップして考えるのではなく、神の性質を帯び、神の国に向かった歩みを教会が始めていく時、どのようなことができるのかを求める必要がある」と語った藤原氏。教派・教団の壁を超えて被災地支援が行われている現状について、「意識的に支えていく必要がある」と述べ、後の世代が振り返った時に、「『あの時の教会が頑張ってくれたから今の日本の教会がある』と言われるような生き方をしたい」と語った。

8・15平和祈祷会 平和のための祈り
 平和の主なる神よ。あなたは救い主イエス・キリストを私たちのもとにお遣わしになり、私たちを隔てる敵意の壁を取り壊してくださいました。争いの絶えないこの地上にまことの平和をもたらし、国と国、民族と民族を争わせる憎しみ、傲慢、怒りを取り除いてください。戦争のあるところに終わりをもたらし、まことの平和を打ち立ててください。
 愛のみなもとなる神よ。隣人を愛することなくして、あなたを愛することはできません。私たちのうちから憎しみと偏見を取り除いてください。十字架によって示された愛の心で満たし、私たちを憎み、脅かしているものたちと和解させ、あなたの平和のうちに、ともに生きることができるようにしてください。
 国々の主権者なる力の神よ。この国の為政者たち、政府と議会、法を司る人々、私たちの間にあって、権威を委ねられている人々を導いてください。彼らがあなたを恐れ、あなたの知恵に導かれ、へりくだってこの国を正しい道へと導くことができますように。再び偶像礼拝と戦争をする国に向かわせることがありませんように。弱い立場にある人々に配慮し、正しい政治を行うことができますように。正義と公平、平和と福祉のためによく働くことができるようにしてください。
 (中略)世界の国々に立てられている指導者たちにヴィジョンを与え、彼らが正義と真実をもって様々な壁を打ち壊し、平和な世界を築き上げることができますように。互いの政治的な対立や経済的な利害を超えて、たがいに助け合い、敬い合うことができますように。

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