日基教団西東京教区 平和集会で高里鈴代氏 “教会は何を祈っているのか” 2011年9月3日

 日基教団西東京教区社会部委員会(稲垣裕一委員長=久我山教会牧師)は、沖縄が担う課題を教会の課題として共有することを目的に、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代氏(同教団西原教会員、元那覇市議会議員・副議長)を講師に迎え、「米軍の駐留は日本の安全と平和のため!?――沖縄からの問い」と題する平和集会を8月13日、同教団阿佐ヶ谷教会(東京都杉並区)で開催した。約70人が参加した。稲垣氏は、人権問題、毒ガス問題、劣化ウラン弾の問題などで「日常的被災地」となっている沖縄の現状を、「東日本大震災の時期にこそ重ね合せて考えたい」と話した。

 講師として、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代氏(同教団西原教会員、元那覇市議会議員・副議長)が登壇した。7年前の8月13日は、沖縄国際大学に米軍のヘリコプターが墜落した日。高里氏は、この10日に普天間基地の周辺で女性たちが中心となり風船を揚げて基地の返還を訴えたことを紹介し、墜落事故では死傷者が出なかったものの、日常生活が危険と隣り合わせであり、事故が心の傷となって市民の中に残っていることを強調した。

 また1964年、国頭郡東村高江に「ベトナム村」と呼ばれる米軍のゲリラ訓練の演習場が設営され、住民がベトナム人の扮装をさせられていたことに触れ、現在同地の集落を囲むように米軍のヘリパッド建設が行われようとしていることを危惧。沖縄での枯れ葉剤使用の問題や、鳥島への劣化ウラン弾発射の問題についても言及した。
 さらに、婦人相談員として活動していた時に、米兵から暴力を受けた女性たちから多くの相談を受けたことを振り返り、「『日本の安全と平和のために米軍は駐留している』ということならば、『ここにいる皆のために』ということになる。『わたしのためにはいてもらいたくない』と思うならば、その意思表示をしなければならない」と呼びかけた。
 沖縄での米軍による地域との協調が「良き隣人政策」と呼ばれていることについて、「クリスチャンとしてどう思うか」と問いかけた高里氏。「祈ることがわたしたちには足りないのではないか。祈ることすらあきらめている」と述べ、「いま教会は何を祈っているのか、どう祈っているのか。その祈りを信じ、それが実現すると信じて祈っているだろうか」と訴えた。

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