『原発報道とメディア』著者・武田徹氏講演 2011年9月17日

「科学技術は戻れない」
 日本クリスチャンアカデミー関東活動センター(薛恩峰所長)は9月3日、武田徹氏(恵泉女学園大学教授)を招き、「〈核〉と日本社会――原発事故後の今、日本はどう歩むべきか」と題する講演会を日基教団番町教会(東京都千代田区)で行った。
 『原発報道とメディア』(講談社現代新書)、『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』(中公新書ラクレ)の著者である武田氏は、日本が核エネルギー利用技術とどう関わってきたかを、その時々のトピックを取り上げながら概観。戦前の原爆開発、戦後の第五福竜丸被爆事故、反核運動、アトムとゴジラの時代、過疎問題と電源三法、温暖化対策と原発などから、先端的技術と関わる日本社会の姿勢を見つめた。
 参加者は少なめだったものの質問は多岐にわたり、「原子力を扱うことそのものに反対」という男性からは科学者の自己責任、原罪を問う意見が出た。それに対し、「科学技術は進んでしまったら、元には戻れない。封印なんてできない」と武田氏。その上で、生み出されてしまった科学技術を使わないためには、政治の力が重要になってくることを述べた。
 「封印するなら政治や外交、核兵器を使わないで済む国際秩序を作っていくための労力が必要。そういう大変さを考えずに封印などあり得ない。封印するために何が必要かを考えなければ」
 原子力の平和利用について好意的に思っていたという男性は、「3・11以後は人間が扱えるものではない」と考えが変わったとし、メディア側の報道責任などについて問うた。

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