米国務省「国際宗教の自由」報告書 〝懸念される国〟中国、イランは反発 2011年10月1日

 米国務省は9月13日、2010年下半期の世界198カ国・地域における「国際宗教の自由」報告書を発表した。特に懸念される国として挙げられたのはビルマ(ミャンマー)、中国、エリトリア、イラン、北朝鮮、サウジアラビア、スーダン、ウズベキスタンの8カ国。マイケル・ポスナー国務次官補は記者会見で「中国政府による宗教の自由の尊重度は全体的に低下し、今年はより悪化した」と警告した。

 報告書は、中国では、昨年10月には国外の会議に参加しようとした政府非公認の地下教会の多数の指導者が出国を拒否され、殴打、拘束を受けたとの報告があると指摘。チベット自治区や新疆ウイグル自治区でも弾圧や厳しい活動制限が続いているとしている。

 ミャンマーでは2007年の大規模デモに絡んで数百人規模の僧侶の拘束が続いており、北朝鮮では宗教団体が対外宣伝に利用されていると記載されている。

 ヒラリー・クリントン国務長官は、宗教の自由侵害は過激派を勇気づけるとし、「イランでは、当局が一部のイスラム教徒、福音派キリスト者、ユダヤ教徒、バハイ教徒など政府としては宗教と認めていない教派への抑圧を続けている」と指摘した。

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 中国国営新華社通信によると、中国の宗教界は9月16日、同報告書が事実を故意に曲解するもので、米政府は中国の国内問題への介入をやめるべきだ、と指摘した。

 仏教、道教、イスラム教、カトリック、プロテスタントの実務責任者が会談し、その後に発表された声明は、中国におけるさまざまな宗教の発展は健全なもので、「異なる宗教集団が調和をもって共存しており、宗教者は幸福と感じている」と述べている。中国政府は、宗教の自由を保護する政策と立法を行っており、宗教者の法的権利と利益を保護してきた、と言う。

 声明は、「宗教団体が、宗教活動に偽装した調和、安定、国家の安全を阻害する犯罪行為阻止という中国政府の努力を支持した」とし、これらの努力は、宗教団体の法的権利と理恵家を保護し、すべての宗教の健全な発展のために有利な環境を作り出すために貢献している、と言う。

 その上で米国の報告書は、「無知からではなく、意図的な動機から、これらの努力を誤解している」と述べている。

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 ラジオ・イラン(日本語電子版)によると、イランに住む宗教少数派は、自分たちの状況は好ましいもの、と反論した。

 ユダヤ教徒の国会議員は、プレスTVとのインタビューで、イランにユダヤ教会が存在すること、宗教儀式を行う自由があることに触れ、「イランは、宗教の点で最も自由な国」と述べた。また「宗教少数派は、世界のどこでも独自の問題を抱えているが、わたしたちの状況は、日々、改善されている」と言う。アッシリア正教徒の議員も、「イスラム革命後、少数派の状況はよくなっている」と強調した。

 イラン・イスラム共和国憲法は、キリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教の信者も少数派として正式に認めている。

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