大学院を来春開設へ 東京基督教大〝20年の悲願〟達成 牧師の継続教育にも 2011年11月5日 

 東京基督教大(倉沢正則学長)は10月25日、2012年春の大学院設置申請が文部科学省から認可されたことを明らかにした。1990年の創設以来、献身を志す学生にキリスト教リベラルアーツ教育を施し、グローバル化する世界において教会教職と信徒リーダーの養成を行ってきた同大学が、20年にわたる悲願 を達成することとなった。併設の東京基督神学校は12年3月をもって閉校する。

 同大学は2010年度、神学科に牧師の養成課程として教会教職課程前期となる「教会教職専攻」を設置。従来、併設の東京基督神学校で行っていた神学専門教育を学部3年次から行い、同時に東京基督神学校の学生募集を停止した。

 12年度、教会教職課程後期として2年間の専門教育を行う「大学院神学研究科」を開設することで、教会教職課程の一本化が実現。大学神学部での基礎教育から大学院研究科での専門教育へと一貫した神学教育を行い、前期2年・後期2年、計4年間での牧師を含む教会教職者養成が行われる。

 高校卒者は学部1年生から6年間、他大卒者は学部3年生から4年間の課程を修めることになる。他の神学部既卒者の大学院入学も受け入れ、現役牧師の継続教育にも門戸を開く。

 大学院の目標として、「良質な神学的教養とへりくだって仕える心を兼備し、伝道の情熱と他者との協働により教会と社会に貢献する牧師養成を目指し、学部では聖書語学と基礎神学を、大学院では聖書学と実践神学に力を注ぐ。キリスト教世界観を身につけ、神を喜び神の栄光を表す卒業生たちを送り出すために、私たちはここに新たな一歩を踏み出す」と掲げている。

     ■

 同日行われた会見で倉沢学長は、21世紀の世界宣教に資するような牧師や教会指導者、神学者、教育者を育てたいとの祈りが届いたことへの感謝を表し、「教会の信徒を励ますリーダーを養成するという使命が、大学院を通して実現できることは意義深い。社会に対して教会が果たすべき役割を担う指導者を育てていきたい」と抱負を述べた。

 大学院の設置に伴い、変わる点と変わらない点について解説した現神学校長の山口陽一氏は、神学校から大学院へ移行することで、目的が教会教職の養成から研究者の養成に変わるわけではないことを強調。

 これまで行われてきた講義形式の授業に加え、3年間のカリキュラムでは難しかった演習の授業を増やすことを説明し、「大学が有する国際キリスト教福祉学科の専門領域とも連携し、教会教職の養成に活かしたい。伝道に関わるインターン、教会と人に仕えるためのインターンの導入についても検討したい」と意気込みを語った。

 神学部長の小林高徳氏は、宗教改革の理念でもあったみ言葉に基づく教会と社会の変革という側面において、福音主義の神学教育には欠ける部分があったとした上で、「より良い市民社会の形成に労することができる教会教職者の養成が求められている。複雑化、グローバル化する社会にあって、型破りでダイナミックな人材の養成が必要」と指摘した。

     ■

 同大学院で取得できる学位は神学修士(Master of Arts in Theology)。専攻・コースは教会教職者コース(42単位)、神学研究者・教育者コース(30単位)の二つで、入学定員は18人。専任教員は牧会の現場で実務経験のある牧師経験者6人を含む8人の教員。専攻は以下のとおり。▼山口(実践神学、日本キリスト教史)、小林(新約学)、S・フランクリン(現代神学)、伊藤明生(新約学)、稲垣久和(キリスト教哲学、公共哲学)、岡村直樹(宗教教育学、実践神学)、木内伸嘉(旧約学)、R・ショート(旧約学)

特集一覧ページへ

特集の最新記事一覧

TO TOP