聖職者の性的虐待 「教会に責任」と英裁判所 2011年11月26日

 【CJC=東京】ロンドン高裁のアリステア・マクダフ判事が11月8日、カトリック教会が運営している子どもの家に入所していた女性が司祭によって性的虐待を受けたと主張し、それが認められた場合、管轄のポーツマス教区クリスピアン・ホリス司教に責任があるとする判決を下した。
 「このケースは、賠償請求に大きく影響する可能性がある。英国だけでなく他国でも注目している。他の教会にとっても、これまで聖職者は従業員ではなく任職者だとしていたような場合、今回の判決の影響は大きい」と、公営BBC放送のロバート・ピゴット宗教記者は言う。『タイムズ』紙も、「今回のケースは被害者の賠償請求に大きく影響し、世界中が注目している」と報じた。
 英国の裁判所にとって、聖職者の行動に教会は責任があるか、それとも「代位責任」かを判断するのは初めてのこと。カトリック教会側の弁護士は即時控訴の意向。
 問題の事件は、「JGE」と仮称されている女性が、1970年代にイングランド南部ハンプシャー州ウオータービルの子どもの家「ザ・ファーズ」に入居していた際に、ウィルフレッド・ボールドウィン神父に性的暴行を受けたというもの。同神父は2006年に死去している。
 教会側の弁護士は、聖職者は従業員ではなく「自営」だから、教会が賠償金を支払う必要はない、と主張した。
 マクダフ判事は、聖職者は公式には従業員ではないので、雇用契約も指揮監督も賃金支払いもない、とのポーツマス教区の主張に留意したものの、「教会が完全な権限を与え、資産、講壇と聖服を与えた。外部に対しては教会代表者として振る舞う権限を与えていた。その地位に任命したのは教会だ」と述べている。

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