北村慈郎牧師「免職」無効求め提訴 「聖餐」めぐる争い 司法の場へ 2011年12月25日

 未受洗者への配餐を理由に、2010年1月26日、日本基督教団(山北宣久総会議長・当時)から免職の戒規処分を受けた北村慈郎氏(前紅葉坂教会牧師)は11月25日、同教団を相手取り、免職の無効と地位確認および1千万円の慰謝料を求めて東京地裁に提訴した。2000年代の初めから続いてきた「聖餐の乱れ」をめぐる攻防は、ついに司法の場へと移された。

教義に踏み込まず〝手続き〟問う
 今回の提訴を受けて、「北村慈郎牧師を支援する会」(久保博夫事務局長)の発足集会が12月3日、日基教団紅葉坂教会(神奈川県横浜市)で行われ、各地から146人の支援者が参加した。兵庫、九州の両教区は教区として代表を派遣し、連帯の意思を表明した。
 世話人代表である関田寛雄氏(神奈川教区巡回教師)のあいさつに続き、北村氏本人が免職処分に至った経緯を改めて報告。2006年の教団総会で、「合同のとらえなおし」をめぐる教団の対応に抗議し配餐を受けなかったことが、常議員会で問題となり、協議会の席上で聖餐について発題するよう請われた北村氏は、20分の発題をした。これが「公的な場で事実を認めた」ことになり、教師退任勧告が出される発端となる。
 北村氏は、「信仰上の問題は対話と議論の中で進めるべき。十分な話し合いもなく、法をかざして異なる立場を排除するという行為は許されるべきではない」と訴えた。
 弁護団を代表してあいさつした北村宗一氏(原告代理人)は、「今回の免職は見せしめ的な要素が強い。本来ならば、教会内の問題について訴訟で争うのはなじまないが、万策尽きたという形での提訴だ」と述べた。
 続いて、2人の弁護士が訴訟の性質を詳しく解説。「教団内の教義上の争いと捉えられてしまうと、裁判所は何も判断できないので、争点は手続き論に絞って展開する。北村氏の基本的人権が侵害されたという問題の本質を、どう広めていくかが問われる」「牧師の雇用主ではない教団に免職する資格があるのか、牧師とは宗教上の資格に過ぎないのではないかということも問われる。限られた舞台で、裁判官にどう理解してもらうかが課題」と補足した。
 訴状によると、原告側は免職処分の無効を主張する理由について、「本件免職処分が免職事由に該当しない」「免職処分の手続きに重大な瑕疵がある」「免職処分に対する不服申立の審判手続きにおいても、適正手続きを欠いている」「懲戒権の濫用である」の4点を挙げている。
 同会では今後、600人を目標に正会員(年会費1口5千円)と賛助会員(1口3千円)を募る。第1回の公判の日程が決まり次第、裁判の傍聴者も募るという。
 北村氏は9日、「教団有志の皆様へ」とする文章の中で、「教団が戒規免職処分を撤回すれば、裁判所の判決を待たず、いつでも教団と和解の道を見出したいと願っている」と記し、裁判支援と共に、教団を「内部から変えて行く運動」への協力も呼びかけた。
 教団は本紙の取材に対し、「まだ訴状を読んでいないのでコメントできない」と回答している。

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